なよ竹の神兎
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月を飛び立ち、絶賛宇宙を遊覧中。
竹ペンシルロケットの推進力が途中で足りなくなって、大気圏に突入する前にペンシルロケットの下3段を追加で切り離した。
大気圏突入時には、僕の本体が乗っているペンシルロケットの部分になった。
でもこれで後は着陸すれば良いだけなので安心ですね。
それにしても、世界で中学生が宇宙に出て、月に着陸したのは僕が初めてではないだろうか。月の生命体との遭遇に関しては、おそらく史上初。僕しか出来ていない。
と優越感に浸っているうちにどうやら地表に到着した様だ。大気圏に突入してからは、室内から外を見るのはやめている。だって、怖いじゃないか。高所恐怖症とまではいかないけど、高い所は怖い。2階の窓枠から外に身を乗り出すなんてもっての他だ。
後は夜になってから竹が発光すれば、、月夜輝夜さんが回収しにきてくれる筈だ。
僕は色んなことがあって精神的に疲れていたのもあり、地表について安心したことこら眠ってしまった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「カン、カン、カン」
と音が聞こえるし、その度に大きく揺れる。
「ガツン」
「バサバサバサ」
大きな音と共に、天井がなくなって、そこから竹藪と夜空が見えた…大きな満月とお星様が綺麗に輝いている。
「神兎、颯様ですね。私、あなたに助けられた月夜輝夜といいます。遅くなりましたが、命を救って頂きありがとうございます。」
そう言って挨拶をして、僕を竹の中から取り出し、月夜さんのお宅に連れて行かれた。
それから数日、月神輝夜様に言われた通り、薬を飲んで過ごすこと1ヶ月経って、ようやく元の人間の神兎颯の姿まで成長した。
擬人化もバッチリである。どこからどう見ても兎だったとは思われない。
「月夜輝夜さん。僕のお世話をしてくれてありがとうございます。僕は前の生活に戻りますね。」
「颯さん。お礼を言うのはこちらの方ですよ。命を助けて頂いてますのでこれくらいのことではお返しきれていませんわ。歴史変換の月宝は既に私の方で使用させてもらいました。あなたは、凶悪なウイルスに感染し、家で療養していたことになってます。昨日完治したというお話ですので外を出歩いて人に会っても大丈夫です。」
「何から何までありがとうございます。では、行きますね。」
「颯さん。蓬莱の玉の枝等の入手は、身体が慣れてから採取しに、行きます。日にちや場所は追って知らせますね。連絡はlineで行います。」
「ええ、分かってます。では……」
「あっ、待って下さい。それと成長薬は飲む必要はもうありませんが、変身薬の方は定期的に飲まないと、徐々に兎の姿に戻りますから気をつけて、服用して下さいね。」
「ええ、薬が無くなったら取りに来ます。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
家に帰る前に行きたいとこがある近くの公園だ。
「あっ颯君こっちこっち。」
「千尋ちゃん。只今ようやく会えたね。」
「ふふっ、颯君、どうしたの?只今って、おかしい。でもよかったのまだ体調悪いんじゃないの?まだ治ったばかりなんでしょう」
そう昨日千尋ちゃんにlineで連絡を入れ、今会う手筈を整えていたんだ。好きな人に会えない30日間はとても寂しくて辛かった。lineを使用にも、月宝を使用する前では、僕は死んだことになっているので、使えない。
制服やスマホなんかは、月夜さんがこっそりと回収しに行ってくれた。スマホのメッセージは酷いことになっていた。悲しみの内容ばかりだ。とりわけ千尋ちゃんのメッセージがある一番多かった。
好きな人の心に酷い悲しみを与えてしまった。
史実が、変わった後だが、心に与えたしまった悲しみは変わりない。一刻も早く彼女に会って元気な姿を見せたかった。
「さっ、これからデートに行くんでしよ。」
「うん、またせた期間の分精一杯楽しもうね。」
僕たちは、お互い手を繋ぎ大好きな本屋さんと喫茶店に向かって歩いて行った。
蓬莱の玉の枝等を探す冒険は、また別のお話である。
〜〜〜〜〜完〜〜〜〜〜〜
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