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竹藪の中の一筋の灯と伝承

「なるほど、これで小さくなって、竹ロケットに乗り込むのですね。でも、地球に着いたらどうしたら良いのでしょうか?」


「神兎殿、まずは一旦お話しますので聞いて下さいませ。なよ竹のかぐやで伝えられている通りに。

 まずは、竹に神兎殿を小さくして乗せて、日本の竹藪、神兎殿故郷の近くに打ち込みます。」


「はい」

 

 ぶち込むって言うけど、着地時の衝撃とかって大丈夫なの?それよりも以前に大気圏突入で、燃えないの?竹だよ。それにそれに空気はどうなってるの?そう言えばここも月だっけ?空気はどうなってるの?息出来るけど。


「神兎殿が話した様に、竹藪で、夜に神兎殿の竹のみ発光します。それを合図に神兎殿が助けた、月夜輝夜つきよかぐや様に連絡して回収してもらいます。」


僕の助けた女の子もカグヤって、名前なのか。顔を姿もほとんど覚えてないけど。


「伝承では、数日の内にすくすくと成長してとあります。実際は、成長剤extraと、変身薬(私も人間になりたい)を複数錠飲んで成長しております。翁殿には内緒で、なよ竹のカグヤ姫様がご自身で服用して、成長しております。本来は1日1錠を30日間飲んで大人の姿なのですが………。焦っておられたのか、一日に4〜5錠一気のみした様です。」


 はー、カグヤ姫もあわてんぼうさんだったんだね。副作用が危険だから用法ちゃんと守らないと危険なことになるのに。


「それで、神兎殿が望まれれば、生前と同じお姿で戻ることが出来る訳です。」


「それなら、僕は前と同じ生活が出来る訳ですね。」


「いえいえ、事はそう簡単な事ではありませんよ。神兎殿は、事故で亡くなっていますから。」


と、じぃ兎が首を振ってくる。


「そんなじゃー僕は二度と家族の前に、親しい友達の所に戻らないんですか?」


「簡単ではありませんが一つだけ方法があります。それは……」


「それは?」


「歴史変換の月宝(げっぽう使ってら事実を書き換えるのです。事故で亡くなることはなかった。そもそも事故はなかったと言うことにしてしまえば、問題なく元の生活に戻ります。」



「なら、簡単じゃないですか。その月宝を使うだけなんですね。」



「うちでの小槌も月宝の一つです。人間が今お話の中で出てくる。アーティスファクトや宝貝パオベイ、宝具などと同じ様に大変貴重なものなのです。あなた方が分かりやすい様に言うとSSSクラスのレアアイテムです。」


「そんな貴重なものなんですか。」


はぁー、じゃー無理じゃないか。がっくりと項垂れる。


「神兎よ。その月宝を其方のために使う。一度しか出来ない貴重なものである。ただ、これを使用するには、条件がある。」


「元の生活に戻れるなら何でもします。なんですか?その条件って。」


「今回使用する分はうちのものを使用する。だがそれでストックがなくなる。そのため、その材料を取ってきて欲しい。」



「はい、分かりました。そんな貴重なものを使わせて貰えるんですから、喜んで集めてきます。」


「うむ、良い返事だ。集めて欲しいものは、蓬莱の珠の枝、龍の髭、火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)だ。」


いや、それって御伽噺で出てきたカグヤ姫の要求したものじゃないですか。結局見つからなくて、月に帰ったんだよね。



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