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ぬいぐるみとまほうのことば
「が、がまんできないよ……」
「トイレまであとちょっとだからね」
トイレにたどりつくと、タケくんはぞうさんのぬいぐるみをだいたままで入ろうとします。これを見たかずえ先生は、タケくんをよびとめようとそのばでこえを上げました。
「タケくん、トイレへぬいぐるみをもって入るのはダメよ」
「先生、どうしてダメなの?」
かずえ先生は、タケくんにとっておきのまほうのことばをかけることにしました。だだをこねる子どもたちも、そのことばをかけるということをきいてくれます。
「タケくんのきたない手でさわったら、ぞうさんはどうおもうかな?」
「ぞうさん、ぼくのことがきらい?」
「きたない手でさわったら、ぞうさんにきらわれるかもしれないよ」
タケくんは、まほうのことばを耳にするとすぐにぞうさんのぬいぐるみをかずえ先生に手わたしました。そして、たいそうズボンとパンツをぬぐとぞうさんのイラストがえがかれたトイレの中へ入りました。