第一話 クラス転移
実はこれ、初めて書く小説なんです!少し下手で勝手がわかっていないかもしれませんが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
多分だんだん描き方もまとまってきて上手くなると思いますので、最初の5話ぐらいは辛抱してくださると助かります。
これは第一話で説明的になっていますが次か、その次ぐらいから乃亜くんが本領を発揮し始めます。
お楽しみに!
俺は榎本乃亜、そこら辺のどこにでもいる中学3年生…………ではない。俺の母さんはアメリカ人で父さんは日本人だ。なので英語はとても得意だったりする。あと、体格も良くて、身長180cmの体重75kgで「ラグビー選手か」と言われるほどである。しかも、絡んでくるチャラ男をフルボッコにしたのを見られてからは学校で武力最強とか言われてる。
でもただの脳筋で成績が悪いわけではない。むしろ学年20位が最低順位なぐらいだ。でも、どうしても、数学はどうにもならない。授業の内容が不思議なぐらい入ってこないのだ。そんな数学がそろそろ終わろうとしていたとき、あたりが真っ白になった。
「ッ…………ここ、どこだ?」
だいたい直径30メートルくらいだろうか。あたりは真っ白な空間で、自分の周りを円のように結晶が床から生えてきていた。他のクラスメイトたちもいたけど他のみんなも意味がわからないような表情をしてる。
なんだか、この展開どこかで聞いたことがあるような…………
………あ!これ、クラス転移じゃね!?
俺は(別にオタクなどではないが)異世界ものの物語が好きだった。全身黒で覇道を突き進む少年の姿に憧れない男などいない。……多分。そして今それが始まろうとしているのかも。
論理的に考えれば全然情報が足りないし、そもそも異世界が科学的に証明されてない。でも今、目の前で起こったことを考えれば思考がそっちに傾くのは仕方がないはずだ。しかも俺らは中三だ。つまり、そういうヤツにハマってるわけで……。
他のクラスメイト達もたちもこれに気づいたのか、混乱と不安とほんの少しの希望が混じった声が聞こえた。
「えっ!ちょっ!これって、異世界転移ってやつじゃない!?」
誰が言ったんだろう。皆んな、ここでようやく実感が湧いた。「ここはもう日本じゃない」という実感が。そこから皆混乱に陥った。泣き叫ぶヤツ、不敵に笑うヤツ、めっちゃ不安そうなヤツ、未だに理解できていないヤツ、果てには気絶するヤツ。でも、俺はクラスメイトの様々な反応を無視して最初に無事を確認すべき人物の元へ走った。
俺には彼女がいる。金髪のロングヘアに青い瞳の美少女で、名前はアリス・フレントンだ。名前からわかると思うが、彼女は日本人じゃない。半年ぐらい前に留学しに来たアメリカ人で、日本語に慣れるまで俺が通訳をしていた。その時に付き合い始め、今でも俺にとって一番大切な人だ。
そんなアリスはよく理解できていないような、今にも泣き出しそうな顔をして辺りを見回していた。アリスは別に異世界ものを知らないわけではない、恋愛系の異世界漫画などは好きだったりする。でも、本当に起こるのは想定外。すぐに駆け寄っていく。
「アリス……大丈夫か?」
「ノア!」
俺の声に気付き、アリスは振り返った。俺が目に入った瞬間、彼女の顔には安心と清適が広がっていき少しだけ微笑んだ。
「アリス、怪我はないか、どこか悪いところはないか?」
「ううん、大丈夫。ノアの方こそ大丈夫なの?」
「ああ、何も問題ない」
「ねぇ、ノア」
「ん?」
「これから私達に何が起こるの?異世界転移とか言ってた人がいたけど、異世界にいくの?」
「そうだな……正直に言えば分からない。でも、そうだな、何があっても俺がなんとかするから心配すんな。It`s gonna be ok. No matter what.(大丈夫だから、絶対。)」
「ふふっ、何そのクサいセリフ……でも、ありがとう。なんとかなる気がしてきたよ」
少し落ち着いたのか、アリスの声にいつもの冷静さが戻っていた。「なんとかする」、普通に聞いたら頼りない一言かもしれない。でも、俺のことを知ってる人からしたらこれは絶対に破られない約束だ。今まで俺が「なんとかする」って言ってその約束を破ったことはない。
まぁそれは置いといて。アリスに肩を貸しながら、俺達は事態の進展を待っていた。すると、後ろから聞き慣れた声が呼びかけてきた。
「榎本、アリスさん、大丈夫か!」
「おう、和樹か。俺たちは大丈夫だ。こっちの話が終わるまで待ってくれてありがとな」
「ありがとうございます。親富祖さん」
「俺がいたのに気付いてたのかよ……。はぁ、とりあえず問題なさそうで何よりだ。さあて、今必要なのは情報だ。みんなを集めるの手伝ってくれるか?」
「へいへい」
「わかりました」
声をかけてきたのはこの学級委員長で俺の戦友、親富祖和樹だ。戦友ってのは、さっき言ったチャラ男たちの仇打ちにやってきた五人ぐらいの人達を彼を含めた何人かで返り討ちにしたからだ。学級委員長って言っても、レスリング部のキャプテンだ。
クラスメイト達を集めて、情報を集めようとしてるんだろう。しかし、既に何か分かってる事はないか聞こうとしたら、頭の中に声が響いた
「勇者の皆様、私はこの世界を含めたいくつかの世界を監督している上位神セントルです。皆様には今までとは違う世界つまり異世界へ転移していただきます。そこで邪神と協力関係にある魔王を討伐していただきます」
「………………」
皆、いきなりすぎて反応できなかった。
「詳細は転移した先にいる下位女神に説明してもらいます。魔王は倒すことは容易ではありません。では、ご武運を」
そこまで聞こえると、また周囲が真っ白になった。
また転移?した先は大きな部屋だった。赤いカーペットが敷いてあり、壁にそって人が並んでいた。服装はある程度そろっていて、剣を持って鎧を着ている、騎士?とローブを着て杖を持っている、魔術士?がこっちを見ていた。
「勇者の皆様、ようこそお越しいただきました。私がこの世界を担当している下位女神になります。」
「ここは、どこだ?」
代表して和樹が答えた。
「ここは神聖イスタリア王国聖都イスタの王城になります」
「すまないが、俺らは全く何が何だかわからない。そもそも、ここが異世界だと言う証拠もない」
「いえいえ、それはこちらが勝手に呼び出したのが原因なので。まず皆様にはこの世界など説明を受けていただこうと思います」
普通なら、誰かが口答えしたかもしれない。でも女神が話している間、壁側にいた騎士達の威圧でほとんどの人が聞くのがやっとってところだった。色々聞きたいことがあるけどまずは素直に従っていこう。俺一人の場合はともかく、今ここにはアリスや和樹がいる。
そこから一時間ほどこの世界についての講座があった。まず最初に、俺らが召喚された理由について説明があった。上位神セントルが言ったように俺らは魔王を討伐するために召喚された。なんとテンプレな。それで、魔王を討伐して魔王が体内に溜め込んでいるエネルギーを使って元の世界に帰るための魔法陣を起動するらしい。
あと、この世界にはいくつか種族があるらしい。魔王がいる魔族や精霊を拝めるエルフ、優れた匠であるドワーフ、そしてもっとも人口が多い人間などだ。そしてほとんどの種族は、原則として一人一つ固有スキルツリーを持っている。固有スキルツリーは、そのスキルツリーのスキルを使い続けるとまた新たにその系統のスキルを獲得できると言うものだ。スキルツリーで手に入るスキルはその他で手に入る通常スキルより遥かに強いと言うのもこの世界の常識だ。
そんな説明を受けてから、俺らは自分たちの魔力量(魔法を使う時に消費するエネルギー量)と能力値、自分の固有スキルツリーがわかる検査を受けることになった。
「はい、ではみなさん一人ずつこの水晶に触れてください」
どうやら、水晶に触れたときの光やその色から魔力量などがわかって、固有スキルツリーや具体的なステータスは文字として浮かび上がるとのことだ。ちなみに一回水晶に触れれば、ステータスと称えることによって自分のステータスが見れるようになる。さて、列の一番後ろに並んだ俺はみんなの結果を見ることにした。
最初に水晶に触れたのは和樹だった。水晶が光り文字が浮かび上がると、結果を見た女神は驚いた顔をしていた。
「全ての能力値が150以上!そして固有スキルツリーは……聖騎士!とても優秀です。これほどの人材が一回の召喚にいるかいないかです!」
へえ〜そんなにすごいんだ〜。女神さんが能力値に驚いているのは、基準として訓練された兵と同じぐらいの能力値を訓練せずに持っているからである。そして聖騎士というスキルツリーは回復魔法と攻撃力を両立させた結構強いツリーなのだ。だが、そんなに強いのか?聖騎士では魔王とやりあえるとは思わないし、聖騎士よりも王とか勇者とかそういうスキルツリーがもっと強いと思うのだが。和樹レベルがそんなにレアなのなら、今まで魔王とよくヤリあってたなあ〜。
そんなことを考えてると列が進み、今度は伊藤光太郎の番になっいた。伊藤光太郎は結構なイケメンで、クラスのトップ組にいて何故か俺を敵対視していた。ゴホッ多分、アリスを狙ってたからだろうゴホッゴホッ。そんな光太郎の検査結果は、と見ていたら水晶がとてつもない光量を発した。すると女神がまたもや驚きを隠せない声を発した。
「ななな…………なんと、なんですと!キキキキキング!固有スキルツリーがキングです!」
「やっぱ俺の才能が認められたてことだな。あははははっははははは」
あ!あとさっき一つ言い忘れてたことがあった!光太郎はすげーナルシストなんだよ。
「先程のカズキさんに加え、コウタロウさんまで!これほど才能に恵まれた人が集まった召喚は初めてです!」
でもやっぱいたね〜キングが。よしよし、自分は何が出るかな〜。あんなにすごいのを見せられたら頑張りたくなってきた!またまた、かれこれ考えてたら俺の一つ前に並んでいるアリスの番になった。結果から言えばアリスの固有スキルツリーは光魔法とまあまあな物だったが、魔力がすごかった。自分の彼女をこう言うのもなんだが、化けていた。「1人で帰還用の魔法陣を起動できるんじゃね」ってぐらいだ。
さてさてさ〜て俺の番だ。何が出るかな?ワクワクしながら俺は水晶に手を置いた。
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