作者入院加療につき…連載中断してました
我が家は紅茶党だが、最近、妻はよくコーヒーを飲むようになった。無糖で、ブラックで、ときにはラテにして。
なぜかというと、YouTubeで糖尿病にはコーヒーを日に3杯程度飲むのが良いという動画を見たせいだ。
そう…妻は、糖尿病が悪化してしまったのだ。一番ひどい時は自力で起き上がることもできない、ペットボトルの蓋をあけることもできない、そのときの血糖値は600を超え、HbA1cは、14を超えていたのだ。生命の危険さえあった。
幸い、2週間の入院で危険な状態からは脱したものの、毎日のインスリン注射が必要な身体となってしまったのだった。
朝昼晩のご飯の前にインスリン、寝る前に持効のインスリン、朝晩指に針を刺して採血しての血糖値検査。
それが、昼のインスリン注射を打たなくてもよくなったところまで回復したのが、一月ほど前だ。
妻は毎日注射が痛い、針を刺すのが痛い、と泣いていた。メンタルもやられていたのだろう。
わたしは…怒った。泣きながら、怒った。何故に、こんなになるまで、治療を怠ったのかと。夫である身で、妻の異変に気づかなかったことに、悔しくて、憤りを禁じ得なくて、泣いて泣いて怒った。
妻は…推し活をしていた。病院にかかる費用を惜しみ、寝る時間を惜しみ、エナジードリンクを飲み続けて没頭していた。
推し活の相手は…言うまい。男性アイドルなどの実在の人物ではなかった。
わたしは嘆きのあまり、妻の買い集めたグッズの一部を引きちぎったりした。
なぜ?なぜ?なぜ?
その疑問だけが頭をぐるぐる回り続けた。
結婚三十年にして訪れた、初めての大喧嘩、離婚の危機だった。
一年以上、紆余曲折があった。妻はほとんど笑わなくなった。小説を書くのもやめてしまった。
ようやく…ようやく…本当にようやく、注射が一回減ったことで、妻に、少しだけ笑顔が戻った。
ちなみに今の妻の健康状態は、血糖値100前後、HbA1cが6.2というところだ。ほとんど健康体の人と変わらない。
そんな妻が、ひさしぶりに小説を更新した。18禁BLではなく、異世界転移もののほうだ。
どうか、読んでやって欲しい。
あのおちゃらけた文章の中には、妻の一年余の苦渋がつまっている。
そんなこんなも忘れてしまうほど、読んで面白いと思って頂けたら、この上なく、わたしも妻も嬉しい…。




