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わりと、謎…


 わたしは、やっぱり気障(きざ)みたいだ…(照れ)。

 いつも感想ありがとうございます。これを励みに、ただ妻の小説がバズらないということだけがテーマのこのエッセイも、おかげさまで続けていくことができます。

 

 さて……その妻が……



「私を殺すには、刃物はいらないわ!」


 と、突然、言い出した。


 一瞬ドキリとしたが、すぐに


「ああ、小説の中のセリフかい?例の小説の続編かい?たしかに、あの人は、刃物では死なないんだろうなぁ……」


 と、訳知り顔で言って見たら、違った。


「ノンノンノン!ミーよ!私よ!この私のことよ!私を殺すにには、刃物なんて、いらないってこと……!」


「……なんで、おまえが殺されるんだい?というか、誰に殺されるんだい?」


「読者よ!」


 と、妻は叫んだあと、


「いえ、読者未満の方々よ!読者になってくれない皆様方のせいで、私が、死ぬのよ!」


「……待ってくれ、混乱しているのは、わたしか?おまえか?話がわけらわからないんだけど……」


 わたしは頭を押さえながら言った。


「昔っから、言うじゃない!『落語家殺すにゃ刃物は要らぬ、欠伸(あくび)三つもすればいい〜』って!」


「なるほど、そういう意味か…」


 ようやく、わたしは合点が言った。妻は、要は、小説の読者がつかない、または無反応すぎて、例えとして『死にそうだ』と、言っているのだ。


「死ぬる…死ぬるわ……このままでは、心がポキポキに折れて、ナントカ賞を受賞する前に、死ぬるわ……」


 自分の小説は、きっとナントカ賞を受賞するはず!っと、信じてやまない、健気な妻であった。


「まあまあ、そんなこと言わずに、ちょっと小説情報を見てごらんよ…!」


「なぐさめなんて……っ!……?なんで、小説情報を?」


「まあまあ、いいから……」


 わたしにうながされ、妻はスマホを取り出して、ポチポチやりはじめた。

 さほどの時を待たずにして、


「ああっ!評価が、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだけど、増えてるわっ!ブクマも一件、増えてるっ!!」


 妻の声が華やいだ。


「あなたっ!誰か、誰かが、ブクマしてくれたわっ!正直、完結済みの小説をブクマしてくれた意図はよくわからないけど、評価が増えて嬉しいわっ!!」


「たしか、ブクマ一件につき、2ポイント加算だからね、そのぶん、総合評価が増えたんだよっ!!」


「見てくれている人は、見てくれてるのねっ!!」


「きっと、そうさ!」


「昨日はなぜかアクセス数も69件もあったし、私の小説、まったく読まれていないわけではないのねっ!!」


「なんだい、結構アクセス数もあったんじゃないか……!」


「……これが多いのか少ないのか、なにせ他の方々の小説のアクセス数までは見られないから、わからなくって……」


「大丈夫、天知る地知る人が知る、悪事もおまえの小説も、いずれ人の知るところとなるに、違いないよ!!」


「……悪事は、別にしてないけど?」


「ものの例えだよ!大丈夫、信じていいんだよ、おまえの書いた小説は、傑作だ!!


 わたしは太鼓判を押した。


「そ、そうかしら?でへへへへへっ!」


 妻はいつもの元気と自信を取り戻したようだった。


「そうそう、あなた!ずっと放置してた、『召喚されたアラフィフBBAとJKとOL 〜女三人の異世界生活は、誰が聖女で誰が賢者で誰が勇者か不明です〜』の続きも、ちょこっとだけ、書いたのよ!どう?私、偉い?」


「偉い偉い!」


「うふふふっ」


 なんだかんだ言っても、わたしの妻はがんばり屋さんなのだった。


 微笑む妻を眺めながら、本当に妻の小説が、賞を獲れることを、願ってやまないわたしであった…。

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