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ちょっとだけよん

 

 妻の小説、

「俺のカノジョに血と薔薇を 

〜『魔外者』まがいものの唄〜」

完結と、こちらのエッセイ連載50回を祝うメッセージを頂いた。大変ありがたく、嬉しかったのは、言うまでもない。

 本当に感謝の念の絶えない嬉しさである…。



「今日は、ちょっとだけ、加筆訂正したわん」


 和室の座卓(テーブル)の向こう側で、妻が言った。


「いわゆる、辻褄(つじつま)を、合わせたのだけどん、わりと、ちょこっとの加筆だけですんだわん」


 アイスティーをすすり、妻は、


「……なんか、本当に、もう、終わっちゃったのね〜」


 感慨深(かんがいぶか)げに、ため息をつくのであった。


「お疲れ様でした」


 と、わたしは、妻に頭を下げた。


「お疲れ様でした」


 と、妻もわたしに頭を下げた。


「いや、わたしは別にお疲れ様では、ないよ?」


 と、わたしが言うと、


 妻は、うふふ、と笑った。

 

「……それにしてもね、あなた、聞いてよ!小説が完結して、『完結済みの連載小説』欄に、私の小説が表示されたらね、なんとなんと、三時間で300件もの、アクセスがあったのよ!!」


「おお!!すごいじゃないかっ!」


「いや、あなた、最終回だけ読まれても……だわよ。最終回のエンディングって、アレよ。いままで主人公の(けん)くんの一人称で、青春なシーンもバイオレンスなシーンも語って来たのに、エピローグは、視点が変わってるじゃない、アレだけ読まれたら、小説の全体像、絶対かんちがいされると思うわ……」


 意外にも、妻は、どんより気味だった。


「でも、それを機会に最初っから読んでみようと思ってくれる、読者様だっていらっしゃるじゃないか!」


「……どうかしらねん。最終回フィーバーが終わっちゃって、もう、なろうの読者様の目に止まる機会もなくなっちゃったし、寂しいわ〜なんか、祭りの後のさみしさにも似たカンジ……」


 妻は、また、は〜、っとため息をついた。座卓に片頬を押しつける。


「……でもね、これで良かったとも、思ってるのよ。書いてる途中で、もしももしも、酷評なレビューとか、頂いてたら、私は心折れてたかも、しれないわ…。読者様から、反応が得られなかったのは、寂しいことだけど、自分の道を貫き通せたかなって、思うの……」


「そうだねぇ……おまえは、酷評、されたくらいで折れるようなメンタルの持ち主ではいと思うけど、やりたいようにやれたのは、幸せだったかも、しれないね…」


「あら、いま私、褒められたの?けなされたの?」


「わたしが、おまえをけなすはずがないじゃないか!」


「もうちょっと、ダメ出しは、欲しかったかな……あなたから、なら」


 ちょっと照れたように笑う妻、五十歳であった。


 すべての読者様に、ありがとう。


 ちなみに、このエッセイは、まだまだ続くのである。


 なにせ、妻の挑戦は、まだ終わってないのだから……。

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