押してまいる???
「あなたのエッセイは読んでませんが、押してまいるは推してまいるが正しいです」
という内容の、誤字報告が来た。
このエッセイのあらすじを見た方からのご指摘だったが、この方がわたしのエッセイの読者様であったら、前日のあらすじで、(時間が)押してますっ!更新は19時になりますっ!と、書いてあって、当日の、押してまいる、が、押してしまっていますが、行きます、参ります、の意味で書いたということを、わかってもらえていたかもしれない……。あと、某パチンコ機種の中のセリフに、推してまいると押してまいるをもじったセリフというのがあって、それも兼ねている、という意味もあったのだが、わたしの説明不足だったろうか?
まさか、なんとなく、しかし慌てて書いた一言に、こんな誤字報告が来るとは予想外であった。
とりあえず、押してまいるは削除して、なんとなく、エッセイも更新する気になれず、うだうだしていたが、返信してみようかと思ったときには、コメントは消えていた。
めったに感想どころか誤字報告さえ来ないから、うっかり削除してしまったのだろうか。
気にはなるが、返信できないものはしかたないし、心の落とし所として、このエッセイの中でとりあげておくに留める。
しかしーーあなたのエッセイは読んでいませんがーーは、無いよなぁ。と、ひとりごちるわたしであった。
「あなた、元気なーい?」
わたしのもやもやは、顔に出ていたようであった。
和室の座卓の向こう側にに座った妻が、わたしの顔を覗き込んできた。
「いやいや、伝わらないって、ツライなーと思ってだな……」
「何があったの?ツンツン」
妻は人差し指で、わたしの座卓についた肘をつっつくのであった。
「いやまあ、なんだ。日本語って難しいなぁと。伝えたいこと全部は伝わらないのじゃないかなぁと。わかってもらえると思って使った言葉が、他人には、全然違った意味にとらえられたり……」
「んっんー、そうねん」
妻の目が、左上を見ようとするように動く。左脳で物を考えているときの人間の仕草だ。
「こないだ、G様が、見えはしないけど、絶対にいるはず!って、友人に話したら……」
「G様?」
わたしたち二人の間では、それはゴキブリのことを指す。太郎さん、と言い表すときもあるが。
「うん。そしたらね、ご先祖様は、いつもあなたを見守ってくれているんだよ、大切に思わなくちゃいけないよ!って言われちゃって……」
「お、爺、様、と受け取られたのか……」
「うんうん。あんまり真面目そうな顔で言われたから、なんとなく、じぃ様違いですって言えなくて、ウンウンうなずいて、そうよね、そうだわよねー、って返事しちゃった!」
「ははは」
わたしは乾いた笑い声を上げた。
「まあ、そんなことは、よくあるってことよ!くよくよしない!」
と、妻はバンバン、わたしの肩を叩いた。
「そうだな、ははは」
「それより、私の小説のアクセス数が伸びない件についてなんだけどーー」
「あ、おまえの小説、あらすじの部分を見ると、三日前に更新されたままに見えるぞ…」
「げっ?!マジ?!」
「マジマジ」
「急いで直さなくちゃ!文字数が少なかったりするときもあるけど、これでも毎日ちゃんと更新してるのよん。そのせいかしら、ここ数日アクセス数がやたら少なかかったのわん」
「……せめて二桁から、脱却したいな……」
「このままでは、読者不在のままクライマックスも終わって、小説も終了しちゃうわ!!アセアセ!!」
急いでスマホを取り出す妻であった。
あらすじは作品の顔ーー
という文言が、読者未満の方からのご指摘の中にあったような無かったような気もするけど、これからはしっかり気をつけよう、と思ったのであった。




