第3話 なぜ赤ちゃんなのでしょう
かなり短めな3話目ですが、区切りがどうしても付かなかった結果です。
今回の主人公たちは、テキパキ動いてくれると嬉しいな~
《ここが女神様の話していた文明の発達した国? 》
あぶーあぶーぶぶぶーぶーあぶああぶーおおぶあー
(本当に別の世界に転生したようです。でもいくら転生と言っても、この小ささには困りましたね。自分の意思で声を出せば「ばぶばぶ」と赤ちゃん言語が飛び出す始末ですし、この世界の言語が分かっていても話せないのは困ります。一体どうしたらいいのでしょうか)
転生前は魔法医師として働く傍ら聖教会に所属し、シスターとして、神聖魔法の指導や回復魔法の指導を生涯にわたりやり続け、92歳の老衰で亡くなるまで、神への信仰を忠実に邁進し続けて来た聖橙だった。
しかし赤子に転生したことで、その信仰が不足で、赤子と言う、未熟な転生になってしまったのかと、多少不安になっているようだった。
前世でシスター・セイントオレンと呼ばれていた聖橙は、死後の世界へ旅立つ際に、創造神様の御使い天使から、文明の進んだ国で、哀れな神の子を、救う手助けをして欲しいと、神託を受け、了承してこの世界にやって来ていた。
(まあ、気長にですね。)
あぶあぶあぶぶー
「守くん、やっぱりこの子、しゃべってるみたいだね」
「ん? ああ、顔つきもそうだけど賢そうだしな。
今も俺たちの会話を、理解してたりして、ハハハ」
あぶあぶあばばー《ええ、理解してますよ》
「…… 本当だったりして。でもその前に! 」
「ああ、分かってるさ。聖橙のお金を何処かに隠そうぜ」
「そうだね、このお金は、この子の将来のために用意された気がするもんね」
ばあうーばぶばぶばぶぶーばあうばうああう
《違います! 神の子らに使うためのお金ですよ》
いくら聖橙が、懸命に言葉を告げようとも、所詮赤ん坊の「ばぶばぶ」である、守たちに伝わる事もなかった。
しかし、子悪党の餌食になりながらも、懸命に生きる守たちは、他者を思いやる心を、亡き神父様の教えに従い、持ち続けている稀有な者たちであった。
(ああ、神がこの子らを、救う手助けをして欲しいと言った事が、良く分かりました。近代文明と言う割に、この若者たちの姿は、文明に取り残されている気がします。私の前世の国に舞戻ったと言われても違和感ないですね。魔法が無い世界な分だけ性質が悪いかも知れませんね、早く大きくならねば。でも、神も、もう少し手伝いがしやすい年齢に出来なかったのでしょうか? せめてあのお金を自由に使っていいと言う神託でもあの子らにして頂ければ…… )
赤ちゃん姿で、うんうん唸る聖橙を見た年長組三人に、きっとオムツ、それも大きいほうを、今まさに気張っている最中だと誤解され、実年齢0歳児、精神年齢92歳の赤ちゃん聖橙は、この後、久しく感じたことが無かった羞恥を、新鮮な気持ちで受け入れてしまっていた。
しかし聖橙はすっかり失念していた。最低でも今後2年間は、その新鮮羞恥が続くと言うことを。
誤字脱字その他色々間違い多数あります、だけど見直しても自分じゃ探せないっ!!
だから、添削お助け隊絶賛募集中|д゜)
※わたくしは嘘でも褒められて育つタイプ。心無い言葉で貶されると深海よりも深く沈み込みます。