幼稚園児の歌
今は歌の時間。お題は「ぞうさん」なのよ。
「ぞーさん、ぞーさん、お〜はながながいのねーそーよ、か〜さんもーな〜がいのよー」
確認すること?母親の鼻が長いという特徴があれば、少なからず遺伝するに決まってるじゃない。それとも鼻が高いのをちょっとお茶目に遠慮気味に言ってみただけかしら?そしたらよけい嫌味な親子ね。
きっとこの母親はPTAの集まりでも「私最近ハワイに行ってきましたの〜たいしたことないんですけど〜おほほー」なんて言っちゃってるやかましい人なんだわ。ハワイなんて最近だったらそう珍しくもないのに。本当、たいしたことないわね。行くんだったらサン・マリノ共和国ぐらい行きなさいってのよ。
「うーみ〜はーひろいーなーおーき〜なー、つーきーが〜のぼるーし〜ひがしーず〜むー」
次は「うみ」?またメジャーすぎるメジャーに手を出したのね。
今さらだってのよ。月が昇ぼって太陽が沈むなんて常識よ。馬鹿にしてんの?潮の満引きが月と太陽の引力が関係してるってこともあたし知ってるぐらいよ。
大体ね、最近の若者を大人は馬鹿にしすぎよ。交通事故起こしたり、交通規則を守らないのは最近の若者?いい加減にしてほしいわね。道路を我が物顔で横断してんのはどっちよ。世の中のありとあらゆる自動車が年寄り優先だと思ったら大間違いよ。それに自転車、ふらふらするぐらいなら降りなさいよ。でもだからって突然降りられたりしたら迷惑よ。
「そおだ〜おそれないでーみーんな〜のために、あいとーゆうきだけーがとーもだちさ〜」
「アンパンマンマーチ」・・・これは聞けば聞くほどむなしくなるわよ。
アンパンマンマーチって言うぐらいだからアンパンマン個人の歌なんでしょ?かわいそうよね、本当に。みんなのためにいけ!って・・・個人攻撃もいいところよ。アンパンマンが必死になってるときに他の人はまったりお茶でもしてんのかしら?酷よね、あの世界。アンパンマンもアンパンマンよ、自己犠牲しすぎじゃない。もっと協力を募ったらいいのに。それともパンはパンなりのプライドでもあるのかしら?
でもあたしたちの世界とアンパンマンの世界もそう変わらないのかもね。愛と勇気だけが友達、支え、生きる希望、なんて人いると思うし、そう思わざるえない人もきっといるんだわ。愛なんて脆く儚いものだし、勇気なんてどこで発揮するのよ。甘いのよ、世の中愛で米は食えないのよ!勇気だけじゃ金融機関からは逃れられないのよ!
「きりちゃーん、お願いだからお歌を歌って〜じゃないと先生どうすればいいかわからないわー!これは家庭訪問するべきなのー?!悩みがあるなら先生に言ってちょうだいー!!」
あ、今は歌の時間だったわ。