死の間際にて、
なんか気付いたら書き上げてました(´・ω・`)
物語のスタートに使えるかなぁと思ったんですが、物凄くダークな物語が出来そうなのでやめておきました。
――死んだ。
死の間際、俺の瞳には今まで歩んできた最悪の道が映る。走馬燈というやつなのだろう。
幸せだった日々、友人からのいじめ、引き籠り続けた俺、見たくもない思い出たちが次々と浮かんでくる。
――やめろ。そんなもの見たくもない。
声にならない声で叫ぶ。
そんな俺の願いも空しく、走馬燈は進んでいく。
――やめろ。やめてくれ。
そして、最後に尤も思い出したくなかった。ずっと蓋をしていたはずの記憶が呼び起こされる。
『ただいま~』
帰宅した当時小学生だった俺の声に、両親からの返事がないことを不審に感じリビングに向かって歩いていく。
――行くな!行くな!行くなっ!!
ゆっくりと進む廊下は静かで不気味だった。
突き当りの角を曲がったところで感じた、足が濡れた感触。
どろりとした何かが足に当たる。
『おかあ……さん? お……とう……さん?』
ゆっくりと下げられた視界に移ったのは、母だったものであった。
その隣には父だったものが転がっている。
――うあああああぁぁっ。やめろぉぉ!!
そう、二人の生首が転がっていたのだ。
その顔は、笑っていた。