084.アサミのアーマースーツ(3)アサミの着替え
シフォンヌと二人きりになったアサミは着替えをするようにいわれた。そういえば、この世界に来てからはじめての着替えだった。アサミはふわっとしたような中世欧州のどこかの民族衣装のようなドレスを脱いだ。するとシフォンヌは食い入るようにアサミの身体を見ていた。
「おばさん、わたしの身体になんかおかしなところでもあるのですか?」
「いいんや、あんたはキャック族みたいな娘だとおもったけど、実際は人間とネコが混じったような姿だな」
「そういえば、わたしキャック族の娘みたいといわれたのですが、一体どんな人たちなんですか?」
「わしもキャック族の血が半分だけ流れている純粋種ではないから違うが、全身がしなやかな筋肉で覆われていて、薄っすらとした毛で覆われているんじゃよ。でも、あんたの身体は人間として綺麗な身体よ」
そういわれ、アサミが改めて自分の身体を見ると、永川亜佐美が一番綺麗だった時代の身体つきに近いようだった。この身体もエンジェルに再構成してもらったであったけど、ネコ耳と尻尾という必要なのか不要なのかわからないものが付いていた。
そういってみていたらいきなりシフォンヌはアサミの尻尾を強く握ってきた。その衝撃でアサミは思わずしゃがみこんでしまった。
「い、いったい何をされるのですか? 痛いです」
「いや、すまん。これから着る衣装だが、一応尻尾が出るようになっているんじゃよ。それだから、どれくらい弾性があるかを確かめたんじゃよ。まあ、段階に応じて変化する衣装だから尻尾が収納される場合もあるけど」
「変化する衣装ですか・・・」
アサミはそうつぶやいたが、シフォンヌに下着を脱ぐようにといわれ、アサミは一糸纏わぬ姿になってしまった。たしかにこれでは男は部屋から出て行けといわれるわけだ。
そしてシフォンヌはインナーのようなものを取り出した。
「アサミさん。これが第一の関門だよ。この胴下衣が主と認められるかどうかだ」




