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083..アサミのアーマースーツ(2)男は出て行って頂戴!

 その箱はかなり古そうであったが、美しい刺繍が施されたキャンパス地のようなもので出来ていた。その箱だけでもかなりの骨董的な価値がありそうだった。箱を開けるとそこには白い箱がいくつも入っていた。そこには色々な言葉が書かれていた。それを見たシフォンヌは思い出すかのようにいった。


 「この衣装はお世話になった赤龍帝陛下から頂いたものなんだ。なんでも意思を持つ甲冑で着用した者の潜在能力を最大限引き出すものなんだ。

 しかも状況に応じて変化するものなんだ。訓練を積めば天空を駆けめくることも水中を潜ることも可能になるんじゃよ。まあ、わしでも全てを使いこなせる事は出来なんだがな」


 そういってシフォンヌは床に白い箱を並べ始めながら、箱に書かれている文章を読んでいた。どうも、久しぶりに出したので、どの箱がどうなるかを確認していたようだった。


 「すまんのう。これを出すのは二十五年ぶりなんだ。その時には譲るのが適任だと思った魔道士の娘に着せようとしたんだけど、こいつが・・・そうそう、この衣装はミランフォという名前なんだが拒否したからな着られるのを! まああんたなら大丈夫だよ、きっと」


 そういってシフォンヌはアサミの肩に手をかけながら、アサミの身体を撫で回していた。アサミは物凄く嫌な気がしたが、いったい何の意図があってそうしているのかが意味が判らなかった。


 「アサミさんだったよね。おねがいだから試着してもらえないかな。たぶんあんたなら受け入れられるだろうけど、ミランフォを最後に見ておきたいから」


 「それって、わたしがこの箱に入った衣装を着てということですか?」


 「そうだ、わしが手伝うから。そのまえに、ヴァリさんもタクヤさんとやらも、男は出て行って頂戴!」

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