079宿場町にて(3)魔道士ってどんな仕事?
「おじさん、ありがとうございます。それにしても基本的な質問なのかもしれませんが、魔道士ってどんな仕事なんですか?」
アサミはそのように質問したけど、それはタクヤも聞きたい事だった。イメージとしては超能力や魔法が使えたりするのかなと思っていたけど、自分たちにそんな能力あったのかな?
「魔道士はな、この世界で起きる色々な事に対処する職業だ。探検や捜索、護衛に妖魔退治、なかには紛争の傭兵もあるなあ。もっとも、全て魔道士に登録した者にしか出来ないけど」
「そんなに色々な仕事があるのですか。でも、それって政府がやってくれないのですか」
「政府? ああ、お上もそんなに色々な能力を持った人を雇っておけないから、必要な時に派遣魔道士を頼むわけさ。そうだろう、役所が探検家を雇ったりしている暇があるなら、そのぶん別の事に使うほうがいいだろう。そうでなきゃ、わしの商売も上がったりだ!」
そういいながなヴァリラディスは棚に置かれた箱の説明書きを読みながら物色していた。それにしても、何を探しているのだろうか。そうしていると店の奥から古道具屋の主人以上に腰が曲がった老婆が出てきた。しかし、その老婆は異様な姿だった。アサミと似たネコ娘もといネコ老婆だったからだ。
「なんじゃい、ヴァリのおっさんかよ! それにしても今日はキャック族の娘を連れてきたのかよ。もしよければ胴衣を譲ってやってもいいぞ!」
そういってネコ老婆は奥の部屋へと案内してくれた。




