068.今晩は、これからは(2)
「いや、その・・・君って昨晩までネコだったんだろ、でも本当のところは・・・そんな事をかんがえていたんだよ。本当に生まれ変わりなのか永川亜佐美の? いったい何がおきようとしているのかがわからないので不安なのかな?」
タクヤは戸惑っているような表情だった。無理も無い、自身は若返るしネコがネコ耳が付いた少女になっているし、おまけに未知の世界に召喚されたのだから当然だ。しかも魔道士として生活しろといわれたのだから、アサミと。
「もう元の世界には戻れないのよ。あなた未練があるのタクヤ?」
アサミはそう尋ねていたが、腰の尻尾が左右に揺れていた。どうも、この尻尾はアサミの精神状態と伝動しているようで、不安な感情を表していた。
「そうだな・・・未練はない! 戻っても下手すればホームレスに戻るだけなら、君と入れるのならチャレンジしても良いかなとおもう。しかし、君はいいのか?」
「わたしは・・・地球に戻っても永川亜佐美には戻れないし、ネコに戻って生を全うするしか出来ない・・・ここならタクヤと一緒に生きていけるし、こうやって話すことも出来るから」
そういってタクヤの肩を抱いたところで、二人とも疲労のためか急激な睡魔に襲われてしまった。そのため、ふたりはそのまま肩を抱いた状態で眠ってしまった。




