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067.今晩は、これからは(1)

 要塞馬車は陽が暮れると移動をやめ葦原の一角に停止した。陽が暮れると室内も明るくなったが、電燈がぽっとついた。この世界は最初は地球の中世のようなところだと思ったが、実際は遥かに科学技術が進歩した社会が破局し、文明水準が退化したということのようだった。

 そのぶん精神力の一種の魔道力に関するものが進歩しているようだった。


 タクヤとアサミは同じ部屋にいた。ここで休みなさいということのようだった。このような状況はいままでもあったことであったが、今は違っていた。アサミがネコ耳少女とはいえ人間に近い姿になっていたからだ。それにタクヤも若返っていたからだ。


 これが安っぽい、といったら失礼ではあるがずっと想いを秘めていた二人が一緒にいたら、はじめることといえば、そう多くはなかった。まあ愛し合うということだろう。


 しかし、二人はこの時それどころではなかった。二人とも変化してしまった自分の身体が疲労困憊したかのように動きにくくなっていた。ようは適応しきれていなかったのだ。


 「アサミ怒らないでほしいけど、永川亜佐美だったときに、こうやって男と一緒に添い寝した事あったのか?」


 タクヤはベットの上で横になりながらアサミの顔を覗き込んでいた。アサミも同じように横になっていたが、身体があまり言う事をきかないよな状態だった。


 「そうね、死ぬ前にはこのように男の人と一緒に寝たといったら、家族旅行や親戚同士が集まった時かな・・・でも、その、わたしヴァージンだったのよ! ところで、なんでそんな事をきくのよ!」


 アサミは困惑気味で行っていたけど、彼女もそんなことがあるのかなといった感じなのか満更でもなかった様子だった。

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