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061.外部はボロボロ内部もすごい(3)

 千二百年? タクヤもアサミも耳を疑った。この世界の一年は地球とは違うのではないかとも思った。あとでわかったことだが、ガルアは地球よりも自転は若干遅く、公転周期も長いので地球よりも一ヶ月ほど余分にある暦だったので、地球の時間で言えば実際は千三百年以上前のことになる。


 それはおいといて、この要塞馬車はそれだけ長い時間使われたというのはなぜだろうか? そんな疑問が生じていた。

 

 「そうか、君たちの世界にはこのような乗り物は無かったのかね? この要塞馬車は遥か昔に国家間の戦争が絶えなかった時代に建造されたものなんだ。

 でも、今では建造も許されないし、その技術も遥か昔に失われたので、ダメになった部材を交換していたらこんな姿になったわけじゃ。

 それはさておき、君らには派遣ギルドに出頭してもらいたいので、数日はここで暮らしてもらいたい」


 そういってヴァリラディスが二人を案内したのは、馬車の一室だった。この要塞馬車はどちらかというと船を陸に上げたような構造であったが、同じように動くたびにギシギシと軋む音が全体に響いていた。


 案内された部屋は質素であるが清潔な部屋ではあったが、物凄く古い家具が備わっていた。タクヤはその家具にある百科事典のような革張りの本を一冊取り出した。

 

 「おかしいなあ、日本語で書いていないのになんで意味が判るのだろうか? こんなにも変な表意文字なのに」


 そういわれアサミも見たら、言われるように読めそうにも無い文字なのに意味が判ったのだ。そう、この世界の標準文字ガルアブル文字が。

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