052.生まれ変わりという証拠があるのかよ!
「その墓参りに行こうとしていた女って誰なのよ?」
アサミは判っていながら意地悪く質問してみた。
「それはなあ、その。そうだな・・・ってアサミってまさか?」
タクヤはなんとなく判った様子だった。アサミはもしかすると永川亜佐美姿を写しているものではないかと。
「アサミ! お前ネコだったんだよな! なんで人間の言葉がわかるんだよ!」
タクヤが予想もしない質問をしてきたので、アサミは驚いてしまった。
「そりゃ・・・人間に近い姿になったんだから人間のようにしゃべれるようになっただけよ! ところで、わたしがもしその女の生まれ変わりだとしたらタクヤはどう思う」
「そうだなあ、ってそんなことあるはず無いんじゃねえんかよ!」
「あれ? ネコが人間みたいになるのですから、転生してくるぐらいのこと起きてもおかしくないでしょ!」
「そうかもしれないけど・・・アサミ、それじゃあ生まれ変わりだという証拠でもあるのか?」
アサミは少しムットしてしまったけど、いきなり現われたのだからしかたないなあと思い直した。
「あなたの夢でわたしはわたしと一緒に旅に行きましょうねと言ったわよ、それに・・・」
「それってなんだ?」
「ほら、あなたネコのアリスを家に連れてきたときに、一緒にプリクラ撮りに行ったじゃないのよ。クモが目の前に出てきたときに、なぜかクモが怖いってといってのけぞっていたじゃないのよ。
それに、毎年年賀状には必ずイモ判みたいな手彫りの名前を押していたよね」




