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051.ネコ耳触っちゃった

 ネコ耳少女のアサミを見たときタクヤはなんかの冗談だと思ってしまった。眠っている間にネコが少女に変身するだなんて、しかも昔出会った女子高生の永川亜佐美に瓜二つときたもんだからだ。


 それはアサミも一緒で、アサミの自我が復活してタクヤと共に行動していたとはいえ、こうして二足歩行の人間に近い姿に変化して初めて面と向かったので恥ずかしかった。


 「アサミだよなあ? 俺が眠る前にはゲージに入っていたネコだったわけだよな? でも、なんで人間になったわけなの? そんな事ってありかよ!」


 「ええ、その私アサミよ! あなたに拾ってもらったネコだったわよ。でも、こうして私は人間みたいになったのよ、あなたと一緒になるために」


 「人間みたい? なんだそりゃ?」


 「ほら、わたしネコの耳でしょ、それに腰には尻尾もあるし」


 そういって、アサミはタクヤに頭の上を見せてスカートの下から尻尾を上げ下げしてみせた。するとタクヤはアサミの頭に掴みかかった。


 「いたい! なにするのよ!」


 「すまない、この耳本物なんだ! 思わず触ってしまった」


 タクヤはアサミの耳をむんずと掴んでいたのだ。その感触はネコのアサミと同じものだったけど、サイズは大きくなっていた。


 「もう! わたしはあなたによくこうやって耳を触ってもらって気持ちよかったわよ。でも人間みたいになってから触られると、なんか違った感覚なのよね」


 そういってアサミはタクヤがよくやっていた耳を裏返しにして触る動作を真似していた。するとタクヤは目の前にいるのはネコのアサミが変化したもんだと気付いていた。


 「やっぱり、アサミなんだ! でもなんで俺が墓参りに行こうとしていた女の顔をしているのだよ」

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