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005.ネコに生まれ変わっていたのよ(前編)

 「私の名はイリス・アントラーファ・7855です。この世界の人間からすればエンジェルと呼ばれています。今日はアサミ様にお詫びと今後の事についての相談に伺いました」その綺麗な女性はそういうとアサミのネコの身体を持ち上げた。すると不思議な事にアサミは人間の姿に変わっていた。


 「これって、まさか私、前世の姿というわけなの? そうよ私は二十二歳の誕生日に身体が四散して・・・ああ! 思い出さないといけないのに怖いわ!」人間体のアサミは可憐な女性になっていたが、その場に頭を抱えてしまった。


 この時のアサミの衣装は可愛らしいワンピースにジャケット、可愛らしいスカートであったが、この姿はアサミが記憶していた人間として最期の瞬間着ていたものと一緒だった。どうも自分は若くして死んだ後にネコに生まれ変わったということらしかった。


 「申し訳ございません。あなたは前世ではもっと長生きして幸せな家庭を築いて天寿を全うするはずだったのに、当局の輪廻転生機関の歯車のミス・・・グロヴァル・コスモリアンのバグでせいだからしかたない・・・いや、その当局の管理ミスで若くして死なせてしまって、しかもリスト漏れでネコに転生させていました。あなた様の魂が天国でお休みされている時に気付いていなければいけないのに、最近気付いたことでして、今日は今後の事について相談いたします」


 「どういうことよ! それじゃあ私は素敵な旦那様に出会って結婚して長生きするという人生だったわけなの? って、ことは今頃はネコじゃなくどこかで幸せなミセスな生活をしていたわけなの? 子供を育てたりしていて・・・」私は思わず大泣きしていた。少しずつであるが前世の記憶が甦ってきていた。自分が何者かであったかを!


 「そうです、申し訳ないのですが輪廻転生のシステムに重大なクラッシュがありまして・・・実は。この世で起きる事で当局が関与できるのは極限られた事でして、当局が手出しできない事態が続発すると対処できなくなりますし・・・それに、あなた様は初恋の人と結ばれるはずだったのに、担当の愛のキューピットが怠け者でして・・」そんな風にいいにくそうな事をようやく言っているような感じだった。


 「えっ!? それじゃあ私ってネコに生まれ変わることなくいまごろ本当は初恋の人と幸せになるはずだったの?」


 それを聞かされ私は更に泣き出してしまった。この時思い出したのは、高校一年のときに教育実習に来た彼のことだった。同級生からは不思議だといわれるほど変哲の無い大学生だったが、なぜか心が動いてしまった彼のことを! 

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