040.アサミの身体復活
目の前に車掌がやってきた。彼は鉄道会社の制服姿だったが、眩い光を纏って変身した。そして男性エンジェルの姿になった。
「はじめましてアサミさん。これからあなたたち二人が召喚される世界を管轄するエンジェルの一人、アウグスティン・アルミレージェ1853です。これからあなたの身体を再構成させていただきます」
そういって大ネコになったアサミの身体をお姫様だっこをするかのように持ち上げて、なんかのエネルギーを注入するかのようなポーズをしはじめた。するとアサミの全身の毛が失われ皮膚が人間のものになった。
「はずかしい、はずかしいですよ。なんで裸になるのですか」
アサミは叫んだが、いままでネコだったんだから裸でいたことには変わらないことに気付くとおかしいと感じた。しかもアサミは人間の言葉を発せられるようになった事に気付いた。
永川亜佐美の魂の状態ではイリス・アントラーファ・7855と人間の言葉で交流していたが、実体の身体が直接しゃべれるようになったことが嬉しかった。最後に人間の言葉を話したのが、美保子との話だったが。
その直後、全身が物凄く熱くなって、そして引き裂かれそうなぐらい激しい痛みを受けてしまった。
「痛い！ 痛いよ！ 体中が引きちぎれてしまいそうよ！ あれっ？ わたし人間の言葉が話せるようになったわ！」
ネコの顔にも変化が現われ、ネコの丸顔に凹凸が現われ、唇が生まれ鼻が高くなってきた、また頭部から黒い髪が生えだしてきた。そして獣の姿は消え人間の女性の姿へと変貌した。
「この身体って、わたし・・・そうだ永川亜佐美として生きていた時の姿だわ！」
その身体にアサミは気に入っていた。今まで四足で走り回って、モノを掴める事は出来なかったし、しゃべったり出来なかった。思わず自分の四肢を動かして、人間であった時の事を思い出すかのように動かしていた。
「人間だったときには感じなかったけど、この身体ってよく出来たものだったんだわ。こうやってストレッチできるし・・・でもちょっとまってよ！」
その時アサミは自分が全裸であることに気付いた！ いままでネコだったので毛皮を纏っていたが、そのまま人間の姿に変貌したので恥ずかしかった。
それにエンジェルとはいえ、異性の前にこうして立っていることに嫌悪感を覚えた。それで思わず胸の膨らみを押さえしゃがみこんでしまった。その時、ネコとは違いバストが復活したことにすごく感じていた。
「この身体になってうれしいけど、ハダカなのが恥ずかしいです！ なにか着るものをいただけないでしょうか？」
