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027.グロヴァル・コスモリアン(2)

 わたしはふと思ってしまった。わたしはどうして死んでしまったのだろうかと。その原因ではなく理由の方だ。イリスさんは想定外の事態がおきたと言っていたけど、どうもそれがグロヴァル・コスモリアンの存在のことのようだ。


 たしか生きている間に聞いた、グロヴァル・コスモリアンの犯行声明も支離滅裂で、どうしてそんな事をするのか理解できなかった。人類をこの地球から放逐し新たな人類に取って代わるのだなど・・・


 「父さん、もう直ぐ出来上がりですよ」奈緒美と父の調理は進んでいた。わたしはアリスの身体に憑依した状態で眺めていた。そういえば、このキッチンの冷蔵庫とレンジは新しいものに交換されていたが、それ以外のものはわたしが使っていた時とかわりなかった。そうだ奈緒美が立っている位置にわたしはいたんだ。


 「さあ、母さん、お姉さんも一緒に食べてくださいね」そういって奈緒美は私と母の写真の前にも食事を置いていた。わたしはここにいるよ! そういいたかったが、それは叶わぬ事であった。


 「母さんも奈緒美もいまごろ天国で休んでいるのかな? それとも生まれ変わっていたりして」


 「父さん、そうかもしれないですね。いつの日がもう一度会いたいな。あの人にも」


 「奈緒美、それより前に亜佐美の分まで幸せにならないといけないぞ。きっと亜佐美も思っているはずだから」


 そういって父はカバンの中に会った書類をソファー脇に出していた。そこにはグロヴァル・コスモリアンの首謀者だった男の懺悔の内容が書かれていた。わたしはそこに近づいた。


 「アリス。お前も気になるのか? なんだって命の恩人を奪った張本人だからな。お前、もうちょっと生きてもらえないか? 二十歳のお誕生日を祝ってあげるから」


 「父さん、アリスの誕生日ってわからないよ」


 「わからないさ。でも、この家に来た日がアリスの誕生日さ」


 「それもそうね。アリスって姉さんがつけたのよね。『不思議の国のアリス』だったかな? 丁度学校の文化祭の出し物をしたからといって。たしかお姉さんは女王様の役だったけど、本当はアリスの役をしたかったんだといっていたね」


 「そうそう! 亜佐美は本気で怒っていたな! ちょっとまってよ、たしかアルバムがあったよな」

 そういって父は亜佐美の部屋から一冊のアルバムを持ってきた。


 「アリス! お前亜佐美の部屋に入っていたのか? ベットの上にお前の毛が付いていたぞ!」


 「アリスも思い出したのかもしれないね。命の恩人の事を」

 

 二人はわたしの脇に座り、わたしの高校時代のアルバムをめくり始めた。

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