261.青銅の塔の最期
ギルド南方艦隊に所属する機動艦「サルヴェリアス」は「メルキュア」の救難信号を受け向かっていた。しかし老朽艦のためなかなか前に進まなかった。前夜、ギルド本部から忌の海に入るようにと指示を受けていたが、「メルキュア」が沈んだらしいという事に乗組員は衝撃を受けていた。ギルド所属の艦が戦没したことに!
「メルキュアといえば古い艦でしたがちょっとやちょっとの海賊では太刀受けできないはずですよ。それなのに・・・」
サルヴェリアスの副官は驚きを隠せなかった。演習では攻撃を受けた場合の対処などを何度も行っていたが、実際に起きる事など考えてもいなかったからだ。
「そうだな、それよりも本部からの指示見たよな。魔導士三名が青銅の塔から帰還するので迎えに行けと。あの忌まわしい場所にたった三人が派遣されるとはいったい何事なんだ?」
艦長が艦橋から見ると遠くに青銅の塔が霞んではいたが姿を現していた。このあたりの海も空も鬱陶しい気分になるので、見るのもいやだった。
「とりあえず、その三人を収容したらメルキュアの捜索をしよう。もう助からないかもしれないが・・・」
艦長はそういった途端、塔の下が光に包まれるのが見えた。それは消滅爆雷が起爆した瞬間だった!
「総員! 何かに掴まれ! 衝撃波がやってくるぞ!」次の瞬間サルヴェリアスは大きく揺さぶられ、掴まっていなかった乗組員は艦内で横転してしまい、けが人が多数出た。
下部が消滅した青銅の塔は粉塵を上げながら海の下へと消えていった。そのあとは何も最初から存在しなかったように沈黙の海と空が広がっていた
「大丈夫か? いったい何が起きたというのか青銅の塔に! それよりも、迎いに行けといっていた魔道士はどうなったんだ? 取りあえず外を監視しろ!」
サルヴェリアスはそのあと青銅の塔があった周辺海域を航行していた。消滅爆雷の爆心地に近づくのを躊躇したためだ。途中、メルキュアのものと思われる自動人形が海面を漂っていた。しかしメルキュアの船長を見つけることはついに叶わなかった。そして三人は一体?
「艦長、本部にどのように報告しますか」通信士は艦長に伺っていた。
「メルキュアの喪失と青銅の塔の消滅を確認! 青銅の塔に上陸していた三人の魔道士は確認できないので、本艦は帰還する、とでも報告を」と言いかけたとき、見張りから報告が入った。
「上空から凧のようなものが降りてきます! どうやら人が乗っているようです。どういたしましょうか?」
「決まっているだろう! 救助せよ! おそらく本部が言っていた魔道士だろ! どんな奴があんな恐ろしい場所にいたのか顔をみてやろうぜ!」
艦長は急いで甲板に向っていた。その凧に乗ったアサミらに会うために。
今回で「”死の女神”の残滓」編は終了です。どうやら”死の女神”の四つの魂のうち、アサミは二つの魂を受け継いでいるようです。そして”死の女神”の魂は手中にあるので。もう一つの魂が存在するようです。
この魂は一体・・・その謎については、またいつか。次章はまた違う冒険を二人します。




