258.”死の女神”の罪と罰
四つの魂のうち二つが自分の魂と聞いて意味が分かるはずもなかったが、アサミは目の前にいる”死の女神”の生まれ変わりということだろうと感じていた。ただ四つの魂と聞いてとあるアニメの・・・ではなく思い出したのは日本の霊魂に対する一霊四魂という思想だった。
これは人や神の心は心の働きをそれぞれ担う荒魂・和魂・幸魂・奇魂の四つの魂で構成されており、それら四魂を直霊が制御しているというものである。もっともアサミ(普通の人間の永川亜佐美だった時)はクリスチャンだったので、信じているわけではなかったが。
アサミは”死の女神”との間合いを近づけてみた。彼女の顔は・・・やはり雰囲気が自分ににていたからだ。もっとも金髪碧眼であったけど。
「アサミ、あなたの魂はわたしから九回目の生まれ変わりのはずよ。そして八回は非業の死を迎えたはずよ。
それはわたしの因果のせいで生まれ変わっても七回は愛する人と結ばれないばかりか、誰かに命を絶たれる運命だったからよ。
すべては私があまりにも大勢の人々を死に追いやったからよ。たとえそれが操られた結果としても・・・」
それを聞いたときおかしなことに気が付いた。今のネコ耳娘のアサミが九回目の生まれ変わりだとすれば、八回目の永川亜佐美も・・・航空機テロで命を落としているのでつじつまが合わない! それに前にネコ耳娘に変身させてもらった天使の説明と矛盾している箇所があった。
「あのう、八回目の間違いではないですか? それに前に予定されていた運命と異なると聞いたことがあるのですが、あなたの説明では罰を受けるのは七回のはずなのに八回受けるているのですが?」
「そうね、八回目の人生は九回目のいまのあなたの意識が続いているのですから、まだ終わっていないというかもしれないけど、一度身体は滅しているからね。
そうなったのもわたしが複数の世界の輪廻転生の歯車に深刻な打撃を与えた罪が尾を引いているわけよね。私から八回目なら幸せになったってよかったのにね、そこのタクヤと」
「ねえ、あなたどうしてタクヤの事を知っているのよ?」
「それは・・・この人も何回目かの生まれ変わりか分からないけど、この私の命を奪った魔導士よ」
そういって”死の女神”はタクヤの頬をそっとキスした。それを見たアサミはヤキモチを焼いてしまったが、いまいる彼女はわたしの前世なのに同時に存在しているのか不思議ではあった。
「ちょっと、あなたねえ・・・あれ? なに妬いているんだろう? わたし」
「ごめんねえ、私もその魔導士と結ばれたかったのよ、でも出来なかった。自分でお願いしたのよ、この世界を救うために私の首を刎ねてと!」




