257.気が付いてみると目の前に・・・
アサミは朦朧とした意識の中で何が起きたのかを思い出そうとしていた。白い闇のような空間を彷徨っていたら、物凄い轟音が響きあたり耳が少し痛くなったので、思わずタクヤと一緒に耳を押さえ下を向いてしまった。
すると、なにかの糸のようなものがあったので辿っていったら、目の前に黒い塊が二つあった。それは昔、国立博物館で見たミイラのようなものだった。そのミイラみたいなものは黒く崩れた中に白い骨がみえていた。それは”死の女神”の変わり果てた姿だった。
生前の姿は想像するのが難しかったが、頭部と思われる小さな方には白く光る綺麗なティアラがあった。それが今回のミッションの目的物であるのは間違いなかった!
それで思わず触ってしまったら白い閃光に包まれて・・・あっ、タクヤは? そう思って隣をみると同じように横たわっているタクヤがいた。呼吸しているのがわかったので一安心したけど、私たちはどうなったんだろうか?
それで思わず立ち上がると目の前には黒いドレスを纏った美しい少女が立っていた。その表情は憂いを浮かべていた。また、その顔はこころなしか自分に似ているとアサミは思っていた。
「あなたは・・・”死の女神”なの? あっ、ごめんね、あなたの本当の名前わからなかったから」
アサミは初対面でトンデモない名前を聞いてしまったと後悔していた。しかし彼女は何ともない様子だった。
「そうねえ、わたしはそう呼ばれていたわね敵対する人たちもわたしを担ぎ上げている人たちにも。わたしの名前は・・・もうどうでもいいわね。わたしの魂の一部はあなたのものですから」
「わたしの魂って・・・あなたは私の前世というわけなの?」
「まあ、この世界ではそういうでしょうね。魂の転生というものは繰り返していくうちに分割されたり融合したりするものよ。だから私の魂は現在は四つに分かれているのよ。いま、あなたが接しているのは哀れな魂よ。あまりにも罪を犯したために輪廻転生の輪にはもう乗れないの。残りの三つのうち二つが今のあなたなの」
「それって、なんのことですか? 意味が分からないのですけど・・・」
アサミは意味も分からず戸惑っていた。




