213.エヴァ・エリの咆哮
ダンジョン・デ・サンミュアッツ各所で崩落が始まった。水没させるとのことだったが、どうも消滅爆雷の衝撃波で各所で地盤がつぶれたようだった。その崩落は地上のサンミュアッツも同様で市内各地で建物の崩壊が続発していた。
「市庁舎が崩壊しました。閣下、はやくここから脱出してください!」
残っていた役人にエリン公は言われたが彼女は拒否していた。
「この街に避難がまだの市民がいる限りわたしは脱出しないわよ。最後に退避しますからあなたこそ逃げてください」
エリン公は頭の上に盾を持って公爵官邸にいた。ここも建物の崩壊が始まっていて壁に大きな亀裂が入っていた。そのため彼女はエヴァ・エリがいつも日光浴を楽しんでいた芝生にしゃがみこんでいた。
「それにしても下にいった魔導士研修生はどうなったのですか? メイファンわからないのですか?」
「ええ、監視に使っていた使徒は結界が強力になったときに使用できなくなって・・・それに中央市場の陥没現場だけどギルドの強襲偵察隊の話では深すぎて今ある装備では入れないというそうよ。それで今は偵察鳩を穴の底にいれたようだけど、それもさっきの爆発で音信不通だって」
メイファンは大変な事になった事に衝撃をうけていた。まさか研修がここまでの事態になるよは思っていなかった。ダンジョンに取り残された二つの班は絶望的だった。
その時、ダンジョンから何ともいえない咆哮がこだましてきた。
「あれは、エヴァ・エリちゃんの咆哮かしら? あの子は無事だったんだ!」
エリン公は一瞬笑みを浮かべたが、既に地上から救出するのは不可能だった。あとは自力で上がっていってもらうしかなかった。
「ところで叔母様。エヴァ・エリってただ大きいだけのネコじゃないよね? なにか魔道力みたいなものはないの? 空を飛べるとかなにか?」
「まそうねえ、やらせたことはないけど普通のネコのように壁を飛び越えるみたいに登れるんじゃないかしら? だってあの子たっら五十年間ゴロゴロしていたから体力なまっているんじゃないかしらん? いまダンジョンを無茶苦茶にした誰かさんにかどわかされる位だから」
「そしたら、叔母さん。後は頼みます! もうすぐギルドの軍勢が来るはずです。もし私が戻ってこなければ状況をわたしの代わりに説明してください!」
そういってメイファンは目の前に生じた地割れに飛び込んでいった。




