208.もう一人のアサミ
「わたしが覚醒すっるってどういうことなのよ?」
アサミは戸惑いながらキュリットロスに問いかけた。いくら目の前の黒い結界をどうにかしないといけないといっても自分が何が出来るのか見当もつかなかった。
「それは、アサミも感じているでしょ。自分の心の中に恐ろしいとおもう領域があることを。さきほど無残な光景を爽快などと思っていたところを。簡単に言えば戦士の高揚感というものだわ。
その戦士の高揚感はある意味では勇気の源にもなるわよ。でも、それに染まりすぎるとウィンギウム・チャガスのようになるわけよ。無意味に快楽のみで殺戮を繰り返すわけなのよ。奴はある時にその暗黒面に陥ったから元の身体が滅しても魔物として各地のダンジョンに出没したわけなのよ。
そのような暗黒面に陥るのは誰にでも危険性はあるわよ。でも、アサミの場合の暗黒面はウィンギウム・チャガスよりも恐ろしいのよ。そのふり幅はとてつもなく大きいし、暗黒面にどっぷりつかると・・・たぶん、この世界を滅ぼしかねないわよ。わたしはアサミにあったときに気が付いたのよ」
「なによそれって! わたしはこの世界に来る前の前世では普通の女の子だったのよ。てっきりこの世界に来てネコミミ娘になったから、それなりに能力がついたので、あなたを使いこなせたのもそれだと思っていたのに。その暗黒面ってなんなのよ!」
アサミは自らの甲冑、すなわちキュリットロスに聞いていた。もう目の前に黒い結界が大きくなっていた。こんなことをしている場合ではなかったけど。
「その暗黒面の正体だけど、見たことあるよね夢で。虐殺を指示しそれを喜ぶ女神を、そして成敗され身を刻まれて滅したのを。それは・・・あなたが、前にこの世界の住民だった時の話だわ。あなたが暮らしていた世界からすれば遥か昔の話だけど。でも、その時の話はじきに分る事よ。それを乗り越えていかなければならないけど。
とりあえずいまは剣をもって黒き結界をを切り裂いでちょうだい!」
そういわれアサミは剣を構えてみた。すると心の中で黒いなにかが立ち上がったような気がした。そう、いままで表にでることのなかったもう一人のアサミが。、




