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020.タクヤとデート (後編)

 わたしとタクヤがこんあふうに親密にデートするのが夢だった。しかし今のデートは人間の実体など存在しないのが、少し残念だったけど。


 「そうか、呼び捨てにさせてもらうよ君を。しかしずっと一緒、なんていう話を聞いてないけど、いつそんな関係になったのか、俺たち?」


 「それはタクヤ。前世も来世も私たちは結ばれる運命なのよ。そうエンジェルから言われたのよ。でも今のあなたの人生でも、これから一緒よ!」


 わたしはテーブルにあるコーヒーカップを口付けした。このときタクヤの顔はなんとなく私の顔を覗き込んでいるようだった。


 「でも亜佐美。たしか君ってもう三十何歳ではないの? いまは」


 「何をいっているのですかタクヤ、いま私は二十二歳よ! そう、もう十年も!」

 そう、このカリソメの姿は死ぬ直前の私の姿を模したもので、いまの姿ではなかった!


 「実はわたしの時間は十年間止まったままだったのよ! だって、二十二歳の誕生日に、そう永川亜佐美の時間は止まったのよ! だって、死んじゃったから!」


 「えっ? 死んじゃった!?」


 「そうよ、だからこの姿であなたの前に現われたのよ!でも、会いたかったなあ、生きていたときに永川亜佐美としてタクヤ! でも、これからはずっと一緒よ! 今度こそお嫁さんにしてね」


 「お嫁さん? 君って俺のことを・・・」


 「そうよ。高校生のときに気付いていたのよタクヤと私は前世から赤い糸で結ばれていたのだと。本当はねえ二十二歳の誕生日を迎えた後に再会するはずだったのよ! でも私ったら誕生日に身も心も散華してしまったんだ。だから永川亜佐美として再会できなかったのよ」


 「それって、まさか君は幽霊なのか?」


 「そうだねえ、幽霊というよりも天国で眠っていたのよ魂だけ。でも今は違うよ。まあ少し前に永川亜佐美ではなくアサミとして甦ったのよ私」


 「それじゃあ再会できると?」


 「そうね、近いうちに! きっとまた会えるわよ私たち。それに再会したらずっと一緒よ、これからは。だから早く行動を起こしてねタクヤ!」そういって彼女はハンドバックを持って席を立った。


 「早く来て下さい! わたしと一緒に旅に行きましょうね!」そういって私はタクヤの夢の世界から出て行った。

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