186.悲鳴なの?
一方のアサミたちファビュー班は役に立つのか分からないメモを頼りにダンジョン・マスターと呼ぶ職人の居場所をさがしていた。たしかに、当てもなくオオネコを探すよりはましかもしれないが、追い越される危険もあった。
「ファビューさん、いいんですかオオネコじゃなくてマスターを先に探すというのは?」
ルンファは暗く湿気たダンジョンの通路をうんざりといった表情をしながらついていたが、探し他に何もやることがない状況に嫌気がさしていたかもしれなかった。
「しかたないさ。ここの情報を得るには接触できそうな職人を探す方が確かだ。もう一方のお坊ちゃまたちが見つける方が早いかもしれないけど、こっちの方で出来ることはしたいのさ。それに、こんな広く深いダンジョンを隈なく探していたら、いつのことになるのかわからないしな」
ファビューは大きな体を少しシャガミながらすすんでいた。どうもここは彼にとって狭くて窮屈そうだった。
「なあアサミ。その鼻って利かないのか? ほら嗅覚が鋭くって探しているオオネコの匂いなんかしないか?」
タクヤもただ歩くだけなので少し飽きていたので、おもわずアサミに失礼かもしれないとおもいつつ聞いていた。
「タクヤ、わたしは耳はネコでも鼻は人間並みにしか利きませんよ! でも、なんか薄気味悪い気配だけはいっぱい漂っているように感じるわ」
アサミはその時、なんかの気配を感じていた。もっともそれはダンジョンの結界に入ったときから続いていた事ではあったが。その時、遠くで何かの悲鳴が聞こえてきた。




