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165.野宿と変わらねえ

 「しかしなあ、がけ崩れで道が通れなくなっているもんだから、結局宿坊までたどり着かないだなんてついていないよなあ」


 ファルビーは嘆いてしたが、先の登山道に門限があって、日没後には通行止めになってしまうので門の脇にある山小屋で一行は泊まっていた。そこの山小屋は大変粗末な作りで、壁から外が透けて見えるようなところがあったほどだった。


 「すいませんねえ、今は巡礼の季節じゃないのであまり準備していないのですよ。それに昨晩集中豪雨で崖が崩れたばかりなので、特に巡礼者が少なかったのですが」


 山小屋の管理人はそういっていたが、彼はハバス市の骨董屋の主人によく似たタヌキのような人間だった。もしかすると同族なのかもしれなかった。


 「おやじ、それにしてもこの登山道はどうしてこうも複雑なんだ?」


 「そりゃ、この登山道を行くこと自体が修業になるからですよ。ここだけの話、お金があって楽をしたいのならデラル鷹で飛ぶ事が出来るのですよ。まあ結構怖いですが」


 山小屋の主人はそういったけど、たぶん使うと失格になるのは目に見えているので使えないだろう。それにしてもこの山小屋には満足な屋根がなかった! なんでも昨日の豪雨に伴う暴風で吹き飛ばされたというのだ。


 「いまねえ、麓の村の大工に修理を手配しているのですけど、こんな山奥だからなかなか来てくれないのですよ。まあそのうち作りますけど今晩は勘弁してくださいね」


 そうタヌキ主人はいったけど、どっちにしても野宿みたいな夜を過ごさないといけなかった。この時壊れた屋根の隙間からは星空が広がっていた。それを見たアサミはネコだった時のことを思い出した。ホームレスだったタクヤと一緒に見たときのことだ。


 あの時は、タクヤに寄り添っていたのでその時と同じように寄り添っていた。しかし視線が気になってしまった。ファラビーとルンファだ。


 「あのう、見せつけてくれなくいいんじゃないの、ふたりとも。仲はいいことはわかるけどさ」


 ファラビーは呆れて言っていたが、魔導士ギルドの上層部から二人が神によって契約された関係だと聞かされていたので、仕方ないとは知っていた。もちろん契りを結ぶことはないということも。


 「まあ、屋根がないからねえ二人一緒に休んだ方が寒くないからな。風邪はひくなよ」

 おういって休むことにしたが、一行の頭上には満点の星空が広がっていた。野宿しているのと変わらない状況であったが、そのような夜をその後、なんども行う事になったが。



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