160.はじめてのミーティング
そのあとアサミとタクヤは昼間は一緒に座学、夜は別々のところで宿泊、という生活を十日間過ごしたけど、さすがに二人とも互いの事が恋しくなったのか、最終日には二人くっついてしまった。しかもイチャイチャするのではなく、なぜかタクヤの膝の上にアサミが座っていた。それはネコが気に入った人間の膝の上に座り込むかのように・・・
「それって・・・恋人がすることにしてはイメージが違いすぎるんですけど? そんなふうにする男女って聞いたことないし・・・」
ルンファは釈然としない表情で二人を見ていた。彼女は恋人同士はツガイの小鳥が戯れるような事をするもんだと思っていたのに、そうするわけでもなくただ膝の上に座っていたからだ。もちろん二人はそれ以上何もしなかった。
「そうだよ、そんなふうに若い男女が身体をくっつけていたら、互いの身体を触ったりするもんじゃねえのかな? まあ、そんなことをしていたら二人とも追放ものだけど、そんなことはしていないし。本当のところはなんだよ?」
ファビュー・キルヒスも呆れたような視線を送っていた。ちょっとまえに四人は班になるようにと指示され、四人で個室に移動していたのだ。それでいきなり二人がそんな風に座ったから、そんな話になっていた。
「そうだなあ・・・なんでだろう俺。こうしていると落ち着くからかな? でも自然にこんなふうにしてしまったんだけど」
「そうねえ、わたしもよ。なんとなく身体の方がこんなふうに自然としてしまったんだけど、どうしたんだろう。何かあるというのだろうかな?」
二人の声もなんだか戸惑っているような雰囲気だったけど、いったい何のことなんだかわからなかった。まあ、そのまま二人の世界に入るわけでもないし、入っても困るので研修会事務局から班長に指名されたファビューはそのまま班としての活動を続けることにした。
「とりあえず、話を続けよう。研修会の締めくくりは格闘系魔導士の場合、模擬ミッションを行うことが通例だそうだけど、なぜかうちの班ともう一班は実際のミッションを行うべしとの指示が出ている。
理由については書いていないけど、このミッションそのものの成功か否かを評価するのではなく、その課程を評価するというと書いている。そういうことは、その・・・チームワークが大事という事だな。そこのお二人さん、お熱いのは構わないけど、足を引っ張らないように!」
アサミとタクヤは相変わらず二人くっついていたが、その表情は真剣だったのでファビューはまあいいかと思い話を続けることにした。それにしても、この二人は一体なんなんだろうか? どうも魔導士ギルドから最大限配慮されているのは確かなようだった。わざわざ一緒の班にするぐらいだから。




