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143.ネコ耳娘とサル耳娘

 アサミの前に現れた少女は、わりと美少女でアサミの方が負けていた。しかし彼女の手は毛深く、しかも腰には長い尻尾がゆれていた。


 「あなた誰ですか? いきなり負けないだなんて言われても」


 「あんたアサミっていうんだろ。噂になっているんだよ、そこの男と同じように。一太刀でギルドの制式剣を粉々にしたんでしょ?」


 「そうだけど、いきなり言われても困りますわ。名前ぐらい言ってもいいでしょ」


 「あたいはルンファ。あんたと同じ魔導士に登録したばっかりよ。あたいも有名な魔導士になりたくって幼い時から訓練に訓練を積み重ねてきたというのに、あんたはどこか知らねえけど、ほかの世界から召喚されてすぐ有名になっているんだから、やってられないよ! まあ、スタートで差はついてもあたいが最後に有名になって歴史に名を遺すから、覚えておきんさいよ、絶対!」


 ルンファと名乗る少女は、そういってアサミの手を強く握っていた。その行為は彼女の所属する部族では強い絆を誓うものだということだった。すなわち、強力なライバルになってやるのだということだった。


 「ルンファさん。私に対して競争心をむき出しにされておられますけど、私はこの世界にやってきてまだ日が浅いし同じ年頃の友人もいないのですが。よかったら、あなたにいろいろ教えていただきたいのですが」


 「教える? まあ、あたいに利益があるのならしてもいいけどさ。今のところあんまりなさそうだけど・・・まあ、考えておくわ!」


 そういうと彼女は背負っていたリュックサックのようなものを下した。そこから出してきたのは洋弓のような武器だった。


 「これは、私の部族の象徴である怒龍弓。これで樹海奥深くにある私の村を守ってきたのよ。まあ村の生活も悪くないけど、このまま誰かの求婚を受けて結婚するのも嫌だから、魔導士になるといって出てきたのよ。だから、ちょっとやちょっとの事で村には帰らないから、だからあんたには負けない!」


 二人のケモノの耳を持つ娘を目の当たりにしたタクヤは少したじろいでしまっていた。そのとき二人の間に恐ろしい気迫のぶつかり合いを感じてしまったからだ。

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