133.キュリットロスの胴衣を身に着けるには
憑依蛾に操られたダガーはアサミの前に立ちはだがった。最初は厭味なヤツだと思ってはいたけど、こんな恐ろしい形相になるとは思っていなかった。しかも相手は胴衣を着て剣を持っている。
その時のダガーの胴衣は、地球のファンタジー作品に出てくるような甲冑に似たものであった。この世界の魔道士でこのようなものを着用しているのは、戦闘系か魔法系の分野の特殊な依頼だけなので、そんな衣装を身に着ける必要は無かった。だからダガーは暗にタクヤがそんな系統の魔道士になれるかを確認しようとしただけなんだろうけど・・・
「アサミさん、構わないから反対の扉から逃げなさい」
ヴァリラディスはタクヤと一緒にダガーを相手にしようとしていた。その時、不思議な事にこんな騒ぎになっているのに、なぜ他の職員が気が付かないかという事だった。ここは、魔道士ギルド支部の中枢と呼べる場所だというのに・・・
「やっぱ、わたしも魔道士になるんでしょ、どうにか協力したいわ! でも、何か方法があるはずよ!」
その時、慌てていたので忘れていたけど、アサミにはキュリットロスの胴衣という切り札があったんだ! それで、アサミはキュリットロスを心の中で呼び出した。
「キュリットロスさん、わたしを胴衣姿にして! でも、あれって裸になってからじゃないと着れないんじゃないの? そんなこと今のこの状況で出来るわけないよねえ」
アサミは気が付いた、だしかシフォンヌに胴衣姿になるために一度身につけているものを全て脱がないといけないということを言われていた事を! でも、こんな状況で服を脱ぐなんて出来ないし、しかも男達の前で・・・ストリッパーかなにかではないのに。
「アサミ、服を脱がなくても私を装着できるわ! でも、そうなると・・・今着ている服はボロボロになるわよ。でも、いまの状況ならしかたないわ、あなたも憑依蛾の餌食になる前に!」
そういってキュリットロスはアサミの意思に関係なく、発動した。




