118.愛し合う二人のカード
「まあ、君たちは従ってくれるだろうし、そうしなければいけないのだ。アサミさんは今はネコ耳少女だよね」
或彌阿具須はアサミに聞いてきたが、アサミはきょとんとしていた。夢の中のアサミは人間として亡くなる前と同じ姿だったから。
「ええ、そうですが。でも今はないですよネコ耳は?」
「そりゃそうだよ。ここは魂が直接交流している状態だから、まあ本当はその姿だよ。でも、いろいろな事情があってネコ耳少女として召喚されているんだよ、この世界に。
君は人間の戻りたいんだろ? お金を稼いで別の魔道士に変身させてもらうか、自身で魔道力をアップすれば可能だけど、実はさっきいった恐怖の素因と対決するためにレベルをアップすればおのずと可能になるもんだよ。しかも、あるレベルから先にアップするまでは処女である必要があるんだ」
これも二人には或彌阿具須が言う事の全てを理解しにくい事だったが、どうもレベルがある程度までアップするまでアサミとはエッチしてはいけないということらしかった。それにしても、この男は男と女が親しくなると誰も彼もエッチするものだと言いたいようだった。
ある意味それは正しいけど、タクヤはアサミをそんなふうにする気はなかった。嫌だという意味ではなく大切にしたかったからだ。若いときは感情を暴走させ自分の衝動を止めることなく、相手を傷つけたことがあったけど、いまはアサミを大事にしたかった。
「そうですか、でもそのレベルアップってなんですか? 俺には今やっていたゲームのような事をするかのように思ったのですが・・・」
「良い所に気付いたな。そういうことなんだよ、君たちが幸せになるためには魔道士としてレベルアップの冒険をしなければいけないということなんだ。そうすればこういう未来があるってことだ」
そういって或彌阿具須は愛し合う男女のカードを指し示した。そのカードに描かれていた絵はエロスよりも神々しい何かを感じさせるものだった。
「アルミさん、わたしたちは道をそれなければ、タクヤと結ばれるというわけですよね?」
アサミは少し頬を赤らめながら言っていたが、その手は自然とタクヤに触れていた。




