表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝!  作者: ジャン・幸田
第八章 ふたりの夢の中の啓示
110/313

110.このあとは・・・

 あの時の事を思い出した。たしかゲームセンターを出て、カラオケボックスにでもタクヤに連れて行ってもらいたいなあと、駅前広場を歩いていた時、いつもなら帰ってくるはずのな時間にもかかわらず、帰宅途中のアサミの父の永川広之進とばったり遭遇してしまったのだ。


 あの時、本当はアサミが引っ張り出したのに、タクヤが庇ってくれて娘さんを連れ出したのは僕ですと謝罪してくれたこと。その後、広之進が専門の刑事訴訟法の話を持ち出してきて、未成年者を連れまわすと場合によっては犯罪になる場合もあるのだと説教したことを思い出していた。


 しかし、分かっているはずなのに夢の中の二人は、あの時をリプレーするかのような行動を続けてしまった。アサミはタクヤの腕を引っ張るようにしてゲームセンターを出てしまった。そういえば、生前の永川亜佐美がこんなに男の人と積極的に付き合おうとしたのは、やっぱり最初で最後だったんだと思った。


 「永川さん。そんなに急いでどこに行くつもりなんだ? 君はまだ高一じゃないの!」


 タクヤはあの時と同じ台詞を言ったが、本当ならこの時が永遠に続けば良かったのにと思った。もし年齢差を超えてタクヤと付き合っていたら、若くしてアサミは死ぬことはなかったかもしれないし、タクヤもホームレスになることもなかったかもしれない。


 だから、高校生だったこの時代が幸せ絶頂だったかもしれない。そういえば、アサミの母も人生で最も輝いているのは、もしかすると高校生の時かもしれないと話していたことを思い出した。

 たしかに、そうかもしれなかった。高校生のとき、無限に可能性があるのだと少し信じていたのかもしれない。だからこそ、こうして大学生のタクヤを連れまわせることが出来たんだと。でも、この夢はただの回想なの、それとも・・・


 そう夢で思っていたところ、ばったりと父と遭遇してしまった。父の永川広之進教授はいつも大量の書籍と書類を入れたキャリーバックを持っていたので、すぐに分かった。それは相手も一緒だった。


 「アサミ! お前いったい何をしようとウロウロしているんじゃ! それに男と一緒とは。いくらなんでも・・・」


 そういう父の顔を見ると違和感があった。その顔は当時ではなく白髪も増え顔にシワが深く刻み込まれていた。その顔は亜佐美の死後十五年経った現在の顔だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ