108.アサミの寝姿
魔道士の男女のカップルがチームを組んでいるのは、珍しくないので要塞馬車で移動する時に覗き見る機会は何度もあったので、夜の寝姿を見ていればチームの内情が分かるのが面白いのでヴァリラディスは出歯亀(この世界ではサンクルスの穴と呼ばれているが由来は別の機会)を止められなかった。
仕事では仲が悪くても夜はラブラブだったり、その反対に夜はビジネス・パートナーだからと何もしない魔道士カップルもいて楽しんでいた。だからアサミとタクヤはどうかと思ってみていた。別の世界(どういった世界なのかは聞いていない)から来たというから習慣が違うのではないかと知りたかったからだ。
そんなヴァリラディスが見たのは、タクヤの胸の上に寄りかかって寝ているアサミだったが、その姿がネコがこおりを作っているように見えたのだ。
アサミの腕はタクヤの胸の上に置かれていたけど、身体は「ネコのように」丸まっていたのだ。タクヤもそれには満足のようで気持ち良さそうに眠っていた。
「おやおや、あんなふうに胸の上に体重をかけられて眠っられたら苦しくないのかね? それにしてもあれじゃ飼い主に従順で忠実なネコだね」
そういうとヴァリラディスは昔飼っていたネコの事を思い出していた。この世界のネコは飼い主の忠実な部下のように付き従うことが大多数で、飼っていたネコは彼に従っていた。
そのため子供のいない夫婦の間では実の子供のように扱っていたけど、あんまり夫の方ばかりに付き従うので妻の方が嫉妬していたほどだった。
「アサミさんってネコ耳娘だけど、あれじゃあ飼いネコそのものじゃないのかね。本当にいいことだけど、いまどんな夢に落ちているのだろうか?」
ヴァリラディスはそう小声でいうと覗き窓を閉じた。




