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ゼロを織るもの  作者: 蒼井湖美智
プロローグ
1/5

世界の滅び

 ――君は、世界が終わっても君のままでいるのか?


 昔々、世界は滅びの道へと突き進んだ。人があまりにも、世界を残酷に汚し、乱していったからである。そうして、世界がとうとう滅び始め、人々が泣き叫んだ。

 その頃、天空で神々が世界の滅びを止めようと、慌しくしていた。神々はそうして、世界の滅びを一時、止めることができたのだ。だが、力を使い尽くした神々は皆、深い眠りについてしまった。

 一人の神が、深い眠りに着く前に、人々にこう告げた。

「これから1000年後に、また世界は滅び始めるだろう。それを止めたければ、お前達が世界を労わり、きれいにするのだ。1000年後にまた、世界が滅び始めたとしても、もう我々神には止めることができんからな」

 告げ終わると、その一人の神は寝むりに着いてしまった。

 それからは、人々が世界を労わり、きれいにしていたおかげで滅びるようなことは何も無かった。だが人々は、年を重ねるごとに神のお告げを忘れ、900年後には、もう誰一人として世界を労わり、きれいにしようとはしなくなった。あと100年後には世界が滅び始めるというのに。


 世界の滅びまであと5年――

 人々は、あの一人の神のお告げを完全に忘れ、また世界を残酷に汚し、乱していた。

 そんな人々の中には本当に、そのお告げを知り、覚えている者は居なくなってしまったのか。


「はいはい、私知ってるー」

「うっせーな、今説明してんだろうが」

「えー、別にいいじゃん」


 唯一知り、覚えているものは、一人だけ居たのだった。魔法を操るという変わった女の子だったのだ。


「お前のせいで、変な説明になったじゃねえか」

「人のせいにするのは良くない」

「何を名台詞みたいなこと言ってんだよ」

「かっこいいっしょ」

「は?どこがだよ」


 これは、世界の滅びを必死に止めようとする若者達の物語

 

「君こそ、かっこつけてんじゃん」

「俺はいいんだよ、男だから」

「は?意味わかんないんだけど」

「お子ちゃまに分かるわけねえだろ」

「私は、お前と同じ16だ!お子ちゃまなどではない」


 これは、最強という名の魔法使いと最弱という名の剣使いの物語


「お前、なに勝手に俺を最弱にしてんだよ」

「実際君は、弱い、というより最弱じゃないか」

「いやまあ、それはそうだけど、お前が最強というのはおかしいだろ」

「おかしくない」


 あるいは、

 最強と、

 最強の

 物語


 あるいは、

 最弱と、

 最弱の

 物語

 

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