第7話
「はぅ~、よく寝た」
「本当によく寝てた」
呆れた顔のエデル兄が言葉を返してきた。
「エデル兄、おはよう」
「おはよう、紅葉」
「ねぇ、オルじぃは?」
「朝飯作ってる」
「えっ!」
神様が料理って…。
「この前のベリータルトもオルディスの手作りだぞ」
「うそ!」
「うそとはひどいのぉ。紅葉よ」
「あっ、オルじぃ!」
「ホッホッホッ、おはよう紅葉よ。調子はどうじゃ?」
「おはよう。なんの問題もないよ」
「そうか、それはよかった」
「冷める前に食べようぜ」
「そうじゃのぉ」
「紅葉、行くぞ」
「うん」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ごちそうさま」
「お粗末様」
美味しかった。オルじぃから料理を教わろうかな。
「それにしても、よく朝からそんなに食べれるね。エデル兄は」
「そうか?」
「そうかって…」
(どんぶりが茶碗で三杯って、何処に入るの?胃袋が二つもあるのかよ!)
「紅葉、自分の姿を確認するか?」
「する!」
そう言うとオルじぃが何処からか鏡を取り出した。
私は鏡を覗くと、注文どおりの私がいたが…
「何かメッシュが増えてる」
そう左側に緋色のメッシュが増えているのだ。
「どおだ。かっこいいだろ」
「まぁ、そうだけど」
「いいではないか」
私の顔は変わらずに右目が金糸雀色に左目がそのままのグレーで魔方陣が刻まれているオッドアイ、床にギリギリつかない白髪の長髪に左側に緋色のメッシュが入っている。
全然気にしてなかったが服装も制服から黒いノースリーブのシャツに第一ボタンを外し、白のネクタイを緩めに結んで緋色のネクタイピンで止めている。
袖口か大きく開いたアームカバー状の袖に二の腕側と袖口に緋色の線が入っている物を右腕だけに通っている。
下は黒いショートパンツにベルト、腰に銀色の尻尾がついていて、白いニーハイの太股部分に緋色のリボンが一周、黒いヒールの低いショートブーツをはいている姿に変わっていた。
「紅葉、力について説明するぞ」
「は~い」
「まず、魔力が無限で種族特有の属性以外全て」
「種族特有の属性って私も持ってるのんだよね」
「ああ。吸血鬼は血を操る血属性がな」
「身体能力をそこ上げして、右目が神眼、左目が魔眼だ。神眼は大抵なことを知れるし、やることもできる。まぁ、何でもありな眼じゃな。魔眼は生死を司っている。生き返させることは今は無理だが対象を殺すこと、触媒を通して死後の世界に送ることが可能だ」
「幽霊やゾンビの相手をしてやってくれ」
「アンデットは紅葉に攻撃はせんぞ。むしろ、したってくるかもしれんの」
それは嬉しいのか微妙。
「吸血鬼はすぐに傷が治る半不老不死だ。コウモリに変身することができる。しかも、始祖にしたから吸血鬼としての能力は一般吸血鬼より2・3倍強いぞ」
「これで説明は終わりじゃ。わからないことはあったか?」
「うんうん、ないよ」
遼はこんなにスペック高いのだろうか?
「そうか」
「よし、一通り終ったな。紅葉、これから特訓だ」
「え!もうやるの?」
「当たり前だ」
「えー」
「ホッホッホッ、頑張ってきなさい」
「は~い」
「特訓やるぞ」
「おー」
こうして吸血鬼として新たな人生が始まった。