第5話
ちょっと長めかな?
「紅茶はカモミール、お茶請けはベリータルトじゃ」
「うわ〜、おいしいそう」
「おいしいぞ」
カモミールから林檎みたいな香りがする。
ベリータルトもベリーが贅沢に使われている。
「いただきます」
紅茶もタルトも一口ずつ、
「お、おいしい」
「ホッホッホッ、そうかそうか」
あ〜、幸せ〜。
「イタタ、酷い目にあった」
「おっ、エデル生きてたか」
骸と化してたエデルが席についた。
「勝手に殺すな」
「おかえり」
「あぁ、亡くなった乳母が川の向こう岸に見えたぜ」
そこまで行ってたんだ。
「揃ったところで本題に入るとするぞ」
「はーい」
「お主自身どのくらいこの状況を理解しておるか?」
「?」
「お前らはこういう事情に詳しいやつが多いからな」
「なるほど」
この状況テンプレだからね。
「でじゃ、どのくらい理解しておる?」
「勇者召喚? に巻き込まれて私は死んだ。で、私を転生させるためここへ呼んだってところですね」
「簡単にまとめるとそうだ」
「でも巻き込まれたのはもう1人いたはずよ。なのに何で私だけここに呼ばれたのですか?」
「男の方は召喚しようとした世界の世界神が膨大な力を与え転生させた。おまえは世界の狭間にポイッだ」
「膨大な力は世界の均衡を崩す要因じゃ。与えられた人間によって過ぎた力になるほどあやつは力を与えた」
うわ〜、その世界神絶対にビッチ女神だ。
「私はあまり心配しなくてもいいと思います」
「理由は何じゃ」
「彼は頭は良いですし、常識人です」
「もしかしたらもう1人の方かもよ?」
「その可能性は低いかと」
「なぜ?」
「私の予想からして世界神はビッチ女神だからです」
私はそう断言した。
「……」
「……」
「…くくっ、あははははははは」
エデルが急にお腹を抱え笑いだした。オルディスもなんかにこにこしている。
「ははっ、笑った笑った。おい紅葉おまえのこと気に入った敬語外せ」
「うん、わかった」
「切り換え早いな」
「わしのことはオルじぃやオルじいさんとても呼んでくれ」
「わかったよ、オルじぃ。エデルはエデル兄ね」
「あぁ」
なんか家族みたい、嬉しいなぁ。
「紅葉おまえの言うとうり世界神はビッチだ。しかも、仕事をしないクズやろうだ」
「あやつは召喚することを其方の神に報告しておらんかった。巻き込まれた者がいた場合の対策も準備するよう伝えたがそれもせずこのようなことになってしもうた」
「私たちの世界の神様って、天照や月読?」
「そうじゃ」
「何で報告するの?」
「召喚した人間をこちらで観るためじゃ」
「それってめちゃくちゃ大事?」
「めちゃくちゃ大事」
そんなのが世界神でよく今まで無事だったな。
「おまえは俺が見つけなきゃ今頃魂が消滅してただろうな」
「うわ〜」
エデル、魔神なのに気さくな人で良い人。
この話を聞いた紅葉はビッチ女神にどのようなお礼をしようか頭の隅っこで考えてたとかなかったとか。




