第47話
私は皆と手分けして近くに飛ばされたであろう鞄を探している。
「見つからないな」
魔物や獣の巣穴とかにあるのかな?川の中や滝に吊るしてあったり繁殖期を迎えている動物の真横にあったりして……
◇◆◇◆
エレラが鞄を発見したと連絡がきたのでエレラのもとに集まったのはいいのだが……
「マジでかっ!」
「おいおいおいさすがにないだろこれは?!」
「繁殖期中は一番危険とされるやつだよな、しかも繁殖期中じゃんか!」
「サモーだな」
「そうですのよ。ほら、あそこをご覧になって」
「「「……」」」
私の予想が当たった。しかも、悪い?方に!
指を指した方を茂みから見るとサモーの卵の真横に鞄があるではないか。卵の真横にだ!
サモーとは見た目はカラフルなただの牛だ。牛乳や牛肉は高値で取引されている。まあ、それらは人の手によって育てられたサモーで、野生も勿論いるが比較的おとなしい。だが、今は繁殖期だ!!繁殖期に入るとまるでサイの如くだ。牧場でも手を焼く(大怪我する人も毎年何人かいる)繁殖期真っ只中のサモーの卵の真横にあるのだ。牛なのに卵生なのはこの際突っ込まなくていい。
「どうすっかこれ?リョウよ~何かいい案ない~」
「転移ですぐだろ?」
「試しましたが、失敗しましたわ。魔具にキャンセルなどの細工がしてあるようなの」
「なぜそこまで悩む? 普通に取りに行けばいいではないか?」
「レイ、本気でおっしゃってますの?」
「?」
あ、レイ首傾げてる。ゼンやエレラの言っている意味全く解ってないな。
「レイ、サモーは繁殖期中は危険だとしっているな」
「リョウ、それは当たり前のことだぞ」
「なら、なんで普通に取りに行けばいいって言うんだよ!」
「私もゼンの意見に一票。私でも繁殖期の時のサモーに近づきたくない」
「と、言われてもな」
修業時代にサモーでトラウマが作れたぐらいだ、繁殖期はおっかない。
レイは茂みから出て堂々とサモーに近づいていく。
「あ、おいレイ!」
「危ないから戻ってこい!レイ!」
「レイ?!」
「レイバカなことはおよしなさい!」
私達が止めに入ったが止められず、サモーの目の前で止まり、威嚇しているサモーに話かける。
「そこにある鞄は俺たちのなんだ。だから、取らせてほしい」
「……レイ」
レイとサモーは数分見つめあっていたがサモーが威嚇するのをやめた。そして、レイは卵の方に近づき鞄を取り、それを持ってこちらに戻ってきた。
「う、そ、だろ」
「あの繁殖期真っ只中のサモーが……」
「卵に近づくのを許すなんて」
「……」
これはさすがにビックリ。でも、すごいな。
「これが…ゼンで、俺ので、リョウのだな、クレハにエレラのだ」
「おう」
「あ、ああ」
「ありがとう。レイ」
「ありがとうございます」
因みにどんな鞄かというと
ゼン…赤のドラムバッグ
リョウ…灰色のリュックサック
レイ…黒のメッセンジャーバッグ
私…クリーム色のショルダーバッグ
エレラ…皮のショルダーバッグ
「鞄も戻ってきたことだ、まずは、野宿先を決めよう」
「ええ、そうですわね」
ボソッ
「なあ、リョウよ俺まださっきの光景が信じらんねーだけどさ」
「ゼン俺もだ。現実感がない気がしてくる。あの繁殖期の鬼のサモーがだぞ」
「私も一番驚いた気がするよ」
「クレハたちどうした?置いていくぞ」
「おうよ。今、行く」
私を含む3人は急いでレイたちに後を追った。
◆◇◆◇
「野宿先についてだが」
「はいはーい」
「クレハなんだ」
「野宿先も必用だけどさっさと敵チーム潰さない。多分まだ鞄を取り返すのに苦労してたり夢中だろうし」
「確かにそうですわね。私達であのレベルでしたものかなり無茶苦茶なところに置いてある可能性はありますわ」
「なら蓋てに別れよう。野宿チームと攻撃チームで」
「私、攻撃チーム!」
「わかってるよ。俺も攻撃チームに入ってもいいか?」
「いいよー。遼がこっちチームに行きたいなんて珍しい。残りの3人は野宿チームね。エレラはお嬢様だし男手は必用だから」
「了解」
「ああ」
「わかりましたわ」
「よし、行動開始」
こうして私達はやっとプチ殺しあいキャンプモドキのスタートラインを越えたのだった、




