第46話
「くくっ、これで進めるぞ」
「ああ、やつらの反応が楽しみだ。ははっ」
薄暗い部屋で何かしら企む二人、楽しそうに不気味に笑っていた。
◆◇◆◇
「なっ、なんじゃこりゃー!」
「……‼?」
ゼンは目の前の風景の理解についていけてないようで叫びをあげた。
理解してないとそうなるよね~。
遼もゼンほどではないが驚いている。
「何って……森でーす☆」
何故に私達が暗い森の中にいるかというとさかのぼること昨日……
◆◇◆◇
「この配った魔具についてだ。青いのがでかい鞄に緑が手荷物につけろ。転移魔方陣が付属されているから戻ったらすぐ着けろ!忘れたら荷物を置いていくことになるからな」
配られた魔具は青いブローチ型、緑のストラップ型、赤い少し長めのネックレス型の3つだ。
「赤いのはダメージの身代わりをしてくれる魔具だ。今自分に着けるか制服のポケットに入れろ。臨海学校ってのは名ばかりで半分プチ殺しあいキャンプモドキだ!ダメージの加算オーバーしたら強制的に転移で宿舎に飛ばされる。来たらこき使ってやるから覚悟しろ!」
カナタ先生はこき使うき満々の笑顔で言い切った。
(プチ殺しあいキャンプモドキって何?!しかもカナタ先生こき使うき満々だからすぐ戻りたくない!)
集められた二学年の生徒(一部を除く)が同時に同じことを思った。
「モルジータ先生!生徒の前でなんてことを言うのですか!」
「まあまあ、エバース先生落ち着きなされ。言っている意味は同じですし、今から慣れた方が良いでしょう」
「ですか、フジサキ先生……」
カナやん(先程クレハ命名カナタ先生のあだ名)を注意したのはお嬢様の礼儀作法と国語を担当しているグリーン・エバース先生。
彼女は地球にもいる規則規則とうるさい先生。
エバース先生を止めているのが魔法学担当のお爺ちゃん先生マサカド・フジサキ先生。
マサカド先生と私はお茶飲み友達なんだ。
私の癒しの一つだが、おとなしいほど怒ると恐いと言う言葉どおりの先生で何気にこの学園都市の古株でちょっとした権力もある。
「それからサバイバルから戻って来た順から部屋割りが決められる。どれも豪華な部屋の造りだがその中から貧相な造りの部屋からうめていく。爵位がなんたらで文句を言うなよ。後、場合によれが部屋を共有するか移動してもらう場合もあるからな」
「そんなですわー」
「ゼッテーいい部屋取ってやる」
「なっ!ふさわしい部屋はふさわしい者が行くべきだ!」
カナやんの説明に文句がある者やる気を出した者様々な反応が反ってきた。
「ようするに勝ち残りさえすれば宿舎のスイートルームがゲットできます」
「以上が臨海学校の説明だ。戻って睡眠とったほうがいいぞ。明日一斉に転移させるからな。くくっ」
説明会が終わり先生たちは訓練場を出ていった。
「楽しみですね。クレハ」
「そだね。エレラ」
彼女は私の友人エレラ・モスーキークォーツ。
氷の属性貴族モスーキークォーツ家の三つ子の末っ子で容赦ない毒舌の世話好き悪役令嬢顔の美人さんです。
「でも、妙なこと言ってたよねカナやん」
「カナやん?」
「さっきつけたカナタ先生のあだ名」
「可愛らしいあだ名ね」
「それで妙なこととは?」
「最後の言葉だよ。遼。おかしくない」
「何かのヒントのように聞こえた」
「やっぱそう思うよね。レイ」
「そうか?ただの眠れなくて遅刻するなよって聞こえたぞ、
もしくは、魔力や体力を回復させろとか」
「おチビじゃないんだから」
「そうです。ゼンでもあるまいし」
「どういうことだ!エレラ!」
「なる」
「なる、じゃねーぞ。遼」
「ゼンをいじるのはおいといて話を戻そう」
準備といい、さっきまでの説明といい何かしら起こす気がする。
眠る、明日に、一斉、転移、魔具。
「まさか、これは楽しいサプライズだな。あははっ」
「なんだよ。解ったなら教えろよ」
「嫌だね」
学生だからこれこんなにヒントをばらまいてくれているんだからね。
もう既に臨海学校は始まっている。
さすがはソレイユだ。あはははっ。
「こんな楽しいことをネタバレするなんて礼儀にはんするね」
「なんだよ。それ」
不満そうに返すゼンを含め三人とも解るだろう。いや、所詮臨海学校と甘く考えるているからこそ解らなくなっているんだろう。この問題は。
「まあ、明日になれば解る。そう明日ね」
レイは解ったんだろう、口筋が上がっている。
他の三人は首をかしげたままだ。
「まあ、戻って寝るか」
「夜に寝れなくなりますわよ」
「私も寝よ~」
「え?」
「そうだな。さすがにキツいかも」
「お二人とも?」
「ってな訳で、明日ねー」
「ちょっ」
エレラたちを無視して寮の前まで転移した。
◆◇◆◇
「ふう~、さすがに今日はいないね」
「助かった。クレハさっきの答えだが……」
「ダメダメダメ、ここで答え合わせしたらつまらない!」
「そうか」
レイが助かったと言ったのは臨海学校での行動を一緒にと寮で待ち伏せしている女の子たちがいないからだ。
別にパーティーを組もうがソロだろうが自由だ。
因みに私・レイ・遼・ゼン・エレラで組んでいる。
「でも、最終日のお疲れ会のパーティーで引っ張りだこだよ」
「はぁ」
「まあ、舞踏会で着るようなドレスじゃないだけマシよ」
「だな」
私がパーティードレスを持っているか?
そんなの勿論ない……と言いたいところ何着かあっちゃったりするんです。
天使やオルじぃたちがくれました。
◇◆◇◆
11:59
後1分で始まるサプライズ。
勿論制服に着替え済みでこれから起こることをもう心から楽しみしている。
カチッ パアー
00:00
「始まった」
臨海学校当日になった瞬間二年は研修場所に転移された。
◆◇◆◇
こうして私達は暗い森の中にいるのだ。
「さすがにこれはないぜ」
「深夜に転移させるか普通」
「あはははっ」
「寝間着から制服にも変わっているし、準備万端だなこれは」
「解っていて教えなかった貴女方も共犯ですわ!」
「ネタバレな~し~」
『あっあー、マイクテストマイクテスト』
「「「「……」」」」
「クレハ、これは?」
「読んでません」
思念で通達が来ると思っていた!まさか、魔具に思念の魔方陣を付けているとは。
「無念!」
「どうでもよくね~」
『よぅーし、きずいているやつやいきなり知らない処に転移されたとパニクっているやつ、ネタあかしだ!ここは臨海学校研修場所のリゾート地だ。リゾート地と言っても魔物はいるからな~』
「かるっ!」
「研修場所ってリゾート地なんだ」
「ええ、たしか理事長の一族だか親戚だかが経営しているそうよ」
「へえ~」
『お前らには説明したようにプチ殺しあいキャンプモドキを今からしてもらう』
「サバイバルでよくないか」
「そうだな」
「ああ」
『服も制服に着替えてあるし、手荷物はお前らの近くに転移してある。でかい鞄はこっちで預かっているから戻って来た順に返すぞー』
「近くかよ!」
『荷造りからこの臨海学校は始まっている。お前ら気合い入れて頑張れよ。以上』
「探そっか」
「だな。手分けするか?」
「そうだね。5人同じ場所に転移されたから纏めてあると思う。見つけ次第思念で連絡」
私達はばらばらにちり荷物を探しに行った。




