第44話
Aクラス前 廊下
「呼んだら入ってこい」
そう言って教室に入って行ったのは担任のカナタ・モルジータ先生、受け持ちは実戦。
実戦というのはまあそのままの意味で魔法と戦闘の授業で、3人の先生がつく。
「レイ、耳栓いる?」
「うるさそうだがいい」
「そう」
此処に入った瞬間黄色い声のパレードだろう。
貴族はどうした!
「入ってこい」
物思いにふけていたらカレイド先生に呼ばれた。
「どちらから?」
「俺から行こう」
「そう」
レイは教室に入って行く、予想通り女子たちの悲鳴がうるさいほど聞こえる。
私もレイの後を追って教室に入る。
「うおぉーーー」
「うるせー」
シーン
「よし」
カナタ先生の一声でうるさかった教室が静まった。
いったい何をしたのだろうか?この人。
「転校生ー、自己紹介」
「レイ・ラビリタ」
「クレハ サクライ」
ラビリタとは勿論偽名だ。
「席はあそこ、窓側の空いている席な」
教卓から見た、窓側の端の席とその左側の席が空いているからそこに座った。
勿論、私は窓側!
「今日は始業式で終わりだ。はい、解散」
「先生、臨海学校については?」
「自己責任だ。自分で考えろ。これは理事長からだからな」
「えー」
なるほど、もう臨海学校という名のプチサバイバル実習は始まっているのか。
おもしろい。
「あ、転校生は使い魔契約するから残ってくれ。誰かに訓練場まで案内してもらえ」
「わかりました」
そう言って教室から出ていった。
すると、女子はレイの周りに男子は私の周りを取り囲んだ、
「レイくん、私が案内するよ」
「いえ、私がいたしますわ」
「クレハ嬢、案内は僕が」
「俺が」
このように自分が案内すると私達の周りで争うっている。
「遼、よろよろ」
「「!!」」
「わかった」
ここは知り合いに任せるが吉。
◆◇◆◇
「ここが訓練場だ」
「そっ」
「使い魔契約はルキと合同だろう」
「そうだね」
私達は大きな大きな訓練場へ入って行った。
「あ、クレハとレイ、リョウ先輩も」
「やあ、ルキくん」
中には予想通りルキくんがいた。
「揃ったことだし始めるぞ」
「はい」
「リョウの使い魔はなんだ?」
「私も知りたい」
「俺か、そうだなお楽しみってことで」
「OK.楽しめにしてるよ」
「潔いな」
「おい、始めるぞ」
「はーい」
魔方陣近くで立っている先生の方に向かった。
「この魔方陣に血をたらす、そんで『汝、我とともに歩む者を ユウェルシード』と唱える」
「……呪文は絶対?」
「今回は絶対だ」
「俺からやりたい!」
「どうぞ。ルキくん」
血をたらすのはいいが私とレイは吸血鬼だからばれないよう幻術掛けかないと。
「汝、我とともに歩む者 ユウェルシード」
ルキくんが呪文を唱えると魔方陣が光だしルキくんを包み消えた。
「逆に連れてかれたな」
「そだね」
かなり強いのだろう、ルキくんの使い魔となるのは。
◆◇◆◇
ルキサイド
「あれ?此処どこ?」
俺は魔方陣から放つ光に包まれて……。
「てか、暗くて見づらい歩きづらい」
此処は真っ暗とはいかないがかなり暗い。
「客人とは珍しい」
「うわっ!」
後ろから声がして驚いた。
「これではわからんな、ほれ」
声の主は炎をいくつか出し、俺が視覚できるようになった。
そこには床までついている紫苑色の長髪に見たことのない服装をした男がいた。
「あんたが俺の使い魔?」
「どうだろうな?」
「俺はルキ。あんたは?」
「我か、我には名はない」
「なんて呼ぶか」
「そういえば、ある友人が命と名付けたな」
「そっか、命な。で、あんたは俺の使い魔なるやつなのか?」
「此処に呼ばれたなら資格はあるだろう。我の魔力に耐えられるかな」
そう言って俺の手を掴み魔力を流し始めた。
「くっ」
苦痛が凄い。
「……」
「うっ、ぐ」
命々が魔力を流されて数分後、俺の手を離した。
そして、ニコッと笑った。
「契約成立だ。なかなかだなルキよ」
「かなりきつい」
これで体の何処かに紋章が浮かび上がっているだろう。
こうして俺の使い魔契約は成功した。
◇◆◇◆
「あ、帰ってきた」
数分後、魔方陣が光だしルキくんと見覚えがある男性が現れた。
「お帰り、ルキ。この人が使い魔?」
「そうですよ、リョウ先輩」
「何の魔獣なんだ?」
「命は何の魔獣なの?」
「知らないのかよ」
「あー!」
「うわっ!ビックリした。どうしたのクレハ?」
「ん?おー、クレハではないか」
「見覚えがあると思ったら命じゃん!」
「久し振りだな」
「相変わらず暗闇にいたのね」
「知り合い?」
「我に名をつけた友人だ」
「えー!!」
「クレハは顔が広いな」
「そうだな」
「顔が広い範囲にはいるのか?これ」
カナタ先生の言う通り。
ルキくんの使い魔になったのは天界次代の時からの友人の破壊龍の命だ。
破壊龍としか呼ばれないらし勝手につけた。
破壊は新たなのモノができる前兆でもあるから命とかいてミコトとした。
彼は破壊龍とはいえ性格は温厚だからそこらへんばんばんと壊したりしない。
「丁度良かったじゃん。破壊属性教えてもれうば?」
「?」
「命は破壊属性を持つ破壊龍だよ」
「っ!」
ははっ、ルキくん固まっぢゃった。
自分の使い魔がどれだけ凄いか知らなかったからね。
てか、契約する前に聞くでしょ。




