第40話
私達は学園都市の街中で学園がどんな様子などゼンたちから聞いていた。
「そうそう、2学期入ったら臨海学校が一週間あるからな」
「なぜにこの時期に……」
「聞いたと時は俺も思った」
「あ、中等部はないからな」
臨海学校と聞いて楽しみにした瞬間、落胆したルキくんはとてもがっかりした。
「水着と日傘買わないとな」
「今買っちゃえば、見て回るついでに」
「そうだね。遼は持ってるの?」
「ない」
「じゃあ、遼のも買ってこう」
「ああ」
「レイのもよろしくね。遼」
「なぜ?」
「俺はいらないが……」
「男同士」
「了解」
街見学ついでに臨海学校のための水着や何着か洋服、アンティークとかを買った。
吸血鬼になってから妙にゴスロリ系とかも似合うからついついたくさん買っちゃうのよ。
ショッピングは女の楽しみね。
ちょうどいい荷物持ちもいることだしね。
「いや、日焼けがあって助かったよ!」
「……」
「……紅葉」
「なーにー?」
「これは買いすぎだ」
「男なんだから弱音を吐かないの。次はギルド支部にでも行こうか」
「鬼畜!」
◆◇◆◇
さすがにこの荷物量では邪魔になるからソレイユ学園の学生寮に向かった。
「おー、大きい!」
「さすがっ!ソレイユ学園ね」
「城とあまり変わらないな」
天下のソレイユ学園の学生寮はとても言葉では表せないぐらい大きい。
しかも中等部と合同らしい。
「右側が男子寮、左側が女子寮だ。ソレイユはフリーダム過ぎるから行き来は基本禁止していない。だが、警備はどんだけだと思うぐらい厳重でもある」
「そうなんですか」
「あれ?クレハは?」
「あそこです」
「あ」
ゼンが学生寮について説明している間に私はさっさと中西入って行った。
「すみませーん。管理人さんいますか?」
「はーい。あら、見ない顔ね?転校生?」
「これからお世話になります。クレハ・サクライです」
「はじめまして、クレハ壌。学生寮の管理人をしてます。マララ・カトーサファよ」
「ちなみに管理人はエドルさんという人がいる」
「夫婦か」
「そ」
「そこの二人はレイさんと中等部のルキさんね」
「ああ」
「よろしくお願いします。マララさん」
「ええ、よろしく。鍵と部屋はクレハ壌が7000室、レイさんは6999室ルキさんは6998室よ」
「ありがとうございます」
マララさんから鍵を受け取り大きめの転移魔方陣で部屋がある階まで転移した。
そして、私の部屋に街で買った大量の荷物を置いた。
「はー、重かった」
「貧弱ね」
「紅葉と買い物すると毎回こうなるな」
「ひえー」
部屋は一人部屋で落ち着いた雰囲気の家具に質もいい。
この時代でキッチンも付いている。
「ゼン、今日って食堂はあいてるの?」
「あいてるぞ」
「そう」
今、材料がないから買いに行かないといけないから食堂があいいて良かった。
「レイたちも部屋の整理あるでしょ?」
「ああ、またあとでな」
「整理してくる」
「俺も」
「何か困ったら呼べよ」
「うん」
レイたちも自分の部屋に戻って行った。
「フェン、ノアール」
「なんだ?」
「何?」
「自由にそこらへん探索しててもいいからね」
「ああ」
「……」
「さて、やりますか」
私は荷物の整理を始めた。
今日までに終わるといいな、この量。
◇◆◇◆
「いやー、助かったよ」
「そうか」
「それにのアールが人化できたなんて知らなかった。教えてくれても良かったのに」
「べつに」
人化したフェンとノアールが部屋の整理を手伝ってくれて晩御飯前には終わらせることができた。
人化したフェンはグレーのウルフヘアに菜の花色のキレ目、犬歯が口から出てきている。
ノアールは勿論黒髪に癖っ毛のミディアムヘアに黄色の猫目で眠たそうだ。
なんでこう私の周りは顔面平均が高スペックなのだろうか?
「時間もちょうどいいことだし、レイたちを誘って食堂に行こうかな」
「誘うもなにも場合解ってないじゃん」
まったくのそのとおりです。
「それならリョウたちの部屋もだな」
「あ」
「……」
「探検しながら探すか。二人はどうする?」
「俺も行く」
「…俺も」
「了解」
お隣さんのレイを誘いに行った。




