第4話
「そろそろ起きてもよいと思うのだが」
「そうじゃのぉ」
「起こすか?」
「うむ」
「おい、起きろ」
「うぅ〜」
誰だ私の睡眠を邪魔するやつは。
「主よ、起きるのじゃ」
「うるさい」 ガシッ
「! イタタタ、髭がわしの髭が抜ける」
「うっわ」
? 髭? 何か手にもじゃもじゃした感触があったから顔を上げると
「……」
「……」
「…誰?」
そこには黄色のグラデェーションの瞳に髭が長い優しそうな顔のご老人がいた。
「その前に髭から手を離してくれんかのぉ〜」
ご老人に言われて髭から手を離した。
仕切り直して、
「貴方たちは誰ですか、ここはどこですか」
私は森や湖、何種類もの花が咲き誇ってる花畑がある大自然の中にいた。
吹く風が気持ちいい、空気もおいしい。
あ〜あ、ここに住みたいな。
「ごほん、わしらは神じゃ。わしは絶対神オルディス。ここはわしの家や庭みたいなところじゃよ。こっちのが」
(この神様、羽がない)
「魔神エデルだ」
魔神エデルは赤い瞳に長い黒髪を後ろに紫かかった羽がついた髪飾りで一つにまとめている美形さんだ。
「桜井 紅葉です」
(なにこれ! なんで敵対してそうな組み合わせなの!)
「うむ、お茶しながら話すとしようかのぅ」
お茶って…。
「少し待っておれ」
そう言ってオルディスは準備をし始めた。
「ねぇ、エデル神様に羽はないのですか?」
私は気になっていたことをエデルに聞いた。
「神によって違う」
「へぇ〜」
「俺たちは羽はあるがしまっている」
(羽って出し入れできるんだ)
「私、羽見たいです」
「そうか」
バサッ
上下に黒い翼が三枚ずつの合計6枚出てきた。
「うわ〜」
「オルディスは翼が白だ」
じー
「? どうした」
じー
(羽毛枕の材料発見、あの翼おいしいかな?)
「……」
ぶるっ
(なんだか悪寒が)
「獲物を確認」
ボソッ
「えっ」
その時の紅葉の目は獲物を捕らえる肉食獣の目だった。
「確保」
「紅葉ははやまるな、ちょっ」
ガシッ ギリグチャビリグチャッ
「ギャァー」
わーい 素材Get
「お主らは何をしておるのじゃ」
準備が終わったらしいオルディスが呆れながらこちらに来た。
「オルディス、見てください! 羽毛が手に入りました。これで羽毛枕が作れます」
紅葉はらんらんとしてるに対し魔神は骸と化していた。
「この翼って食べれますか?」
「あぁ、手羽先とかで食べれると思うぞ」
(エデルよ、安らかに眠れ)
「そうですか」
オルディスはこの時、紅葉のことが恐ろしく思えた。