第38話
「制服が完成したのではないのか」
「私はなんか違う思うだよ。フェン」
私達はバンさんに呼び出しを受けた。
今日はフェンたちも一緒だ。
「確かにな。完成したとは言われていない」
「そうなんだよ」
「着けばわかるだろうよ」
「そうだね」
◇◆◇◆
アナリ商店が経営している服屋。
「呼び出したりしたごめんね」
「大丈夫ですよ、バンさん。で、理由は?」
「最後の仕上げをしたくてね」
「「「最後の仕上げ?」」」
私、ルキくん、ヨルの声がハモった。
「まあ、一度試着してみてよ。あ、暑いけど冬服もお願いね」
バンさんに言われるがままに渡された制服を試着してみろことに。
「わぁぉ、カッコカワイイ」
制服は軍服ワンピースだ。
冬服はワンピースジャケット。
合計八個のダブルボタンの黒のPコート型にスカート部分が腰から左右に別れていて、分かれ目からジャケットの丈下まで見える瑠璃色のフレアスカート、スカートと同色のリボンタイ。
黒のニーハイや寒い時はストッキングをはいて冬服の完成だ。
ニーハイブーツでもOK。
袖のボタンの雪の結晶がカワイイくて気に入った。
「バンさん、冬服の方着たよ」
「んー」
「?」
バンさんは私の冬服姿を見て悩みだした。
「そうだな」
バンさんは雪の結晶と鍵の飾りがついた銀色のウォレットチェーンを持ってきて制服に着けた。
フックなしで着けたから少しびっくり。
「うん。これで良し」
「これ着けてもいいんですか」
「校則よるゆるだから大丈夫だよ」
それでいいんかい!
「はい、次」
夏服に着替える。
夏服はデザインは同じだか半袖と七分袖の二種類ある。
ノースリーブスの黒シャツに瑠璃色のブリーツスカート、同色のネクタイにボタンの数合計六個、冬服より丈が長く前側の丈がない灰色のコート?
執事服に似ているな。
蹴りがいれやすそうだ。
説明が下手ですみません。
説明は苦手だ。
夏服に黒のニーハイにショートブーツで、見た目暑そうだが通気性抜群!
「終わりましたよ」
「この尻尾つけて」
バンさんはすぐに手を加え始めた。
紅葉と鍵のキーホルダーがついた漆黒の尻尾をつける。
「これで完璧。今日、持って帰る?」
「そうします」
「じゃあ、袋詰めして後で渡すよ。レイくんたちの見てくるけど来る?」
「楽しみに取っときます」
「はは、そうか」
バンさんはレイたちの方に行った。
それにしてもお金掛けてるな。
「似合っていたぞ」
「ありがとう、フェン」
「虫がわくな」
「ふふ、そうだね。ノアール」
「さて、髪型と髪飾りを考えよう」
やっぱ私も女の子だし、オシャレしたいよ。
「フェン、明日は学園都市に向かうよ」
「金稼ぎはもう良いのか?」
帝になってから金貨の数が大量大量!
もうガッポリと入って来る。
「かなり貯まったからいい」
「どうせ、転移で一瞬なんだろ」
「当たりです、ノアール。リョウが迎えに来るの」
「そうか」
これからの学生生活が楽しみです。
このことをサフェート兄さんたちにケーマでメールした。
楽しんでおいでと返信が来たの、それから気をつけてとも。
帝になったし、魔族だから注意と言いたいのたろう。
秘密は多いけど楽しんだもん勝ちだね。
あ、マントももらわなきゃ。




