第33話
「さて、始めよう」
「始めに自己紹介といこうか。ギルマスからな。俺はドラゴンテイルのギルマス、ガイゼスだ。右からティターニアのギルマス、ナタールリ。エンジェルハートのギルマス、エリン。サウザンドアイズのギルマス、ホワイト」
ダンディーなおじ様がガイゼスさん。
ティターニアのギルマスは赤色の髪をした取っつきにくそうな女の人がナタールリさん。
エンジェルハートのギルマスは若くて爽やかな男性のエリンさん。
サウザンドアイズのギルマスは私と同じ白髪の色気がある男性、ホワイトさん。
「で、ホワイトの隣から時・空間・闇・光・氷・雷・土・風・水・炎・勇者・全帝だ。全帝は用事で欠席だか、気にするな」
「この二人が魔物の軍勢を全滅させたのは本当かい?ダンラーク」
「はい、本当です。自分もその時現場にいました」
ホワイトさんが事実確認をしてきた。
「お!マジか!」
「属性!属性はなんだ!」
雷帝と炎帝はきらきらした目で私たちを見てきた。
「私は氷・水・雷」
「俺は炎・風・闇」
「おー!三属性持ちで……」
「ああ」
この二人は帝の交代でも、考えてるのか。
「ほほほ、いい人材だ。魔族との戦いに大いに期待できる」
土帝がそう言うとレイの顔が険しくなった。
多分、レイの表情の変化は乏しいから私以外気づいていないだろう。
レイは魔族だもんね。
私のせいで今は敵陣のど真ん中にいるからこれから魔族との戦争についての発言を沢山聞くことになるだろう。
「俺はこの二人をSSSランクにしてもいいと思うぞ」
「え!マジ」
炎帝の言葉にルキくんが驚いた。
「だが、実力がわからない」
「私は賛成ですよ」
「氷帝!」
「あんたが賛成するなんてな」
「ふふ」
「それと関係がないことですが私は今日限りでクレハに氷帝の座を渡そうと思います」
「……」
氷帝の爆破宣言に一同はしーんと静まり……。
「「「「「「えーーーーーーー!」」」」」」
「はぁ」
「あら、驚かないのね」
「始めの時に予想してました。氷帝、いや、アンジェラさん」
「ふふ、ばれてたか」
「この人が……アンジェラさん」
自分の後見人を今まで知らなかったルキくんは驚いている。
ルキくんは沢山驚くことかあるね。
「はじめたして。ルキくん、貴方の後見人を務めさせてもらうアンジェラよ」
「はじめたして。ルキです。よろしくあ願いします」
「素直な子ね。貴方たちと大違い」
「素直じゃなくて結構です」
「もう。それと風帝の世代交代を要求します」
「はあー!」
さらってすごいこと言いますね。アンジェラさん。
「待ってください。彼女は風帝はがんばってるじゃないですか。それなのに解任って!」
「勇者様」
「がんばってるだけではいけないのですよ。勇者。それにレイの方が何倍も貴方より強いわ」
レイだから朝飯前かな。
「貴方はどうなんですか!」
「私は歳です。新しい代にと考えてはいたのですよ」
「そうか。まだまだ現役だと思ったがな」
「土帝、務まる人がいなければ私も現役でしたよ」
「そうか」
「俺は反対だ」
「……水帝」
「また、我儘か」
「な!我儘ではない!」
「理由は?」
「実力は僕らの方が上だ。こいつらに同等の実力があるとは思えない」
「私が直接手合わせをしたのにですか」
「手を抜いたのでは?」
「私がするとでも」
魔法は使ってないのに部屋の温度が下がった。
「そ、そうだよな。氷帝は帝の中で一番厳しいからな」
「では、新たな氷帝座はクレハに。いいですね?」
アンジェラさんに無言の圧力をかけられ反対したくてもできない。
「では、クレハ頑張ってくださいね」
私に選択肢なしですか!
「次は新たな風帝の座をレイに、ということか」
「いいんじゃん!」
「そ、そんな」
「雷帝!」
「勇者は黙ってろ!ややこしくなる!」
そうだ、そうだ。
「アンジェラさんの推薦ですし…」
「一度だけでもチャンスはないんですか」
粘るね、朝日。
「勝負に勝てばいい」
模擬戦をやるようだ。
「わたったわ!絶対に負けない!イケメンだからって手を抜かないわ」
風帝って面食い?
「修練場へ行こう」




