第29話
「ダンラークさん、保護子つれてきました」
「保護子ってなんだよ」
「保護した子」
私はレジューダルドラゴンとの話し合いを終え、ギルドに帰ってきた。
「今回、保護した子どもはこいつだな」
「そ、ハーフエルフのルキくんでーす」
「うわっ」
私がルキくんの背中を押したから転びかけた。
「ハーフエルフとは珍しいな」
「エルフって無駄にプライド高いからな」
そう。エルフって無駄にプライドが高いんだ。
ハーフエルフとか絶対受け入れないだろうね。
そんな種族がよく学園都市に学園なんか建れたな。
「ルキ、おまえ何歳だ?」
「13歳」
「ちょうどいいし、学園に送るか」
「え?!」
「そだね」
「実力はあるからいいだろう」
「いや、誰か止めろよ!」
13歳だから中等部か、アンジェラさんに後見人やってもらおうかな。
この歳でアルバンを討伐したんだから、SクラスかSSクラスだろう。
「決まれば、アンジェラさんに報告だ」
「ルキくんは測定しようか」
「え!ちょっとクレハ!レイ、助けて」
「レイは受付に依頼完了の報告よろ」
「わかった」
「え!助けてよー」
「さぁ、諦めて行くよルキくん」
私はルキくんの首根っこをつかんで測定室に向かった。
◇◆◇◆
測定室
「やり方はわかるでしょ」
「うん」
ルキくんが魔力測定、次に属性測定の水晶にふれた。
「黒の土と……へー、超レアじゃん‼破壊属性って」
「破壊属性?」
「その名のとおり破壊することに特化した魔法」
これって千人に一人の確率または神しかないかもしれない属性だ。
私も持ってるけど、使う機会があまりないんだよね。
「へー」
「レイたちに報告しに行こう」
「わかった」
「測定終わったか」
「すごいよ!ルキくんさ、破壊属性なんねもってたよ」
「おー、貴重」
「でしょ」
「ルキくんの測定も終わったことだし、宿にでも行こう」
「なら、二階の部屋使え」
「いいの?ダンラークさん」
「いいぞ」
「やった。宿代がうく」
「明日の9時にバンさんところ集合な。ルキも忘れずに」
「はーい」
学園に通うための準備だろう。
「お金どうするの?」
「大丈夫だろ」
「その時に考えるさ」
ギルド初日が終わった。




