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人間をやめた転生ライフ  作者: 暁のネコ
23/53

第23話

「なあ」

「ん」

「そいつら何?」

「この子たち」

「ああ」

「私たちの使い魔」

「ずっと出てるのはまた珍しい」


エバンさんが珍しそうにフェンとヨルを見る。


「そいつもか?」

「この子はノアール。使い魔じゃないわ」

「ただの猫?」

「まれに生まれる魔法が使える子よ」

「マジで‼」

「初めて見た」

「あまり使わないけど」

「なーんだ」

「すごいものをお持ちで」


レクターさんたちは苦笑いをした。

確かにすごいものたくさんあるかも。


「この辺りで野宿しましょうか」

「そうですね」

「準備が終わったら模擬戦な」

「ユージ、どちらか決めたか」

「あったりまえ」

「ほら、準備、準備」


私たちは野宿の準備を始めた。

異空間のポケットから折り畳み式のテントを出し組み立て、毛布と枕を出して準備は終了。


「クレハ、枕も持ってきてたのか」

「もちろん。布団もあるよー」

「……」

「レイは終わった?」

「終わった」

「レクターさん、こっちの準備終わりました」

「お、早いな」

「こっちも終わったぜ。レクター」


ガイルさんたちも終わったようだ。


「そうか」

「では、模擬戦といこうか」

「俺はレイを指名する」

「だってよ、レイ」

「フッ」


ユージはレイを指名した。

レイなら瞬殺でしょ。

ちびたちの驚愕した顔が楽しみだ。


「私じゃない理由は?」

「なんとなくだ」

「そう」

「では、始めるぞ」

「おう」

「ああ」

「始め」


ガイルさんが開始の合図をするとレイは魔剣ローライをブレスレットから変化させた。


「!」

「な!」


ユージたちは驚いた。


「もしやとは思ったが」

「ええ、変換型とは私たちも敵いませんね」

「そうだな」


変換型って珍しいんだ。

私のまわりは変換型がたくさんいるな。


「クッ」

「なんだ、その程度か」

「くそが」


レイは下から剣は振り上げユージの剣を弾き、首もとに剣先をむけた。


「それまで」

「完敗だな、ユージ」

「あたりまえよ」

「おまえが威張るな」

「あっさり負けた。悔しいぜ」

「これから精進するんだな」

「そうだな」

あら、認めちゃったよ。

「レイがこれならクレハも」

「変換型武器を使うな」

「マジかー」

「どっちが強いんだ?」

「さぁ~」

「やったことないからな」

「そうか」

「皆さん、ご飯の支度が終わりましたよ」


ちょうどいい時にバンさんが夕食の知らせに来た。


「お、晩飯だ」

「やったー待ってました」

「お腹ペコペコだ」

ご飯? なんか忘れて……。

「あ!」

「なんだよ、クレハ。大声だして」

「いけない、レイにわたすの忘れてた」

「俺に?」


私は異空間のポケットから筒上の入れ物を取り出しレイに投げた。


「飲みたくなったらそれを飲むようにだって」

「わかった」


レイにわたした物は血のサプリメント。

私たちは吸血鬼だからばれないためにも必要なの。


「二人とも早く来い」

「はーい」


◇◆◇◆


「おまえらさ、サングレスで召喚された勇者のこと知ってるか?」

「存在は知ってるが、それがどうした」

うん、知ってる、おもいっきり。

「いや、おまえらが学園に入るって言うからさ。その勇者とその友人が学園に転入するそうだ」

やっぱ、こうなるの。

「へー、まだ学生なわけ」


エバンさんは知らなかったようだ。


「クレハたちって何歳?」

「私、2、17歳」

「18歳」


いけないいけない、天界時代も含めるとこだった。

天界でも、オルじぃたちが誕生日を祝ってくれたから25歳なんだよね、吸血鬼で成長はあまりしてないけど。


「なんだ勇者たちと同じぐらいか」

「そうか」

お願い! もう勇者の話しないでー、私のイライラゲージがオーバーする‼

「勇者はどこの学園に行くんだ?」

「そりゃあ、ソレイユだろ」

「だよな。レイたちはどこ転入するつもしだ」

「ソレイユってなんだ」

「おい、知らないで行くつもりだったのかよ」

「クレハが知ってるからいいやって思って」

アサヒがソレイユ……。

「おい、ク……」

パキッン


私は手に力が入り過ぎてスプーンがまっぷたつに折れた。


「……」

「……」

「……おい、なんかあったのか。その、勇者と」

「フフ、別に」


ユージが代表で私に聞いてきた。

まあ、そう思うよね。


「しいて言えば、なんであんな役立たずが勇者として召喚されたんだろうなって」

「役立たずって」

「そこまで噂になってねえぞ」

「役立たずなのか?」

「俺に聞くな」

「まあ、あまりいい噂は聞かないね」

「食べ終わったし、食後のティー……!」


食後のティータイムといこうと思ったら邪魔が入った。


「レクター」

「ああ」


他の人たちも気づいたようだ

「へへ、いい獲物がいたもんだ」

「盗賊」


盗賊が現れた。


「お頭、女がいやすぜ」

「……」

「おう、すっげー別嬪さんだな」

「私の……」

「おまえらそこの女と荷物全部置いてけ」

「私の……な」

「なんだ嬢ちゃん?」

「後で気持ちよくしてやんよ」

「私のティータイムの邪魔すんな‼」

「グハッ」


私は近づいてきた盗賊の一人を思いきっり殴った。

私はアサヒのことを話されてイライラしてんのに、ティータイムの邪魔させて我慢できずキレた。


「なんだ! この女!」

「暴れ馬か!」

「役立たずのバカ勇者について話されて、これから学園で毎日顔合わせなくちゃいけないことになって、バカに付き合わせられろだろうこっちの身にもなりやがれ! そのせいでこちとらイライラすんのに私の癒しのティータイム邪魔しおったおまえらは何様だー。ごらっ」

「俺たちに関係ないだろ!」

「知るか‼」

「逆ギレ!」


そう言って私はブレスレットを薙刀に変化させ一人で盗賊たちを蹴散らしていく。


「すごい」

「ああ」

「ストレスがかなり貯まってるんだな、さっきの数分で」

「おりゃ」

「ま、がっ」

レイたちは暴走している私を見て唖然としていた。


そして数分……。

「あー、すっきりした」

「すっげー清々しい笑顔だ」


盗賊たちに八つ当たりして全滅させた私はすっきりした気持ちだった。


「いい運動したので私は先に眠りますねー」

「ああ、おやすみ」

「おやすみなさい」


私はテントに入って眠りについた。


「クレハを怒らせないようにしよう」

「ああ、勇者は禁句だ」

「こえー」

「見張りはどうする?」

「俺はクレハをお越しに行きたくない」

「何でだよ!レイ、クレハといるのおまえだろ!」

「そうだぞレイ!」

「今のを見て行けるか」

「だよな」

「今日はクレハなしでやろう」


ガイルさんのその意見に全員が賛成した。

こんな会話が男性陣であったとを爆睡したクレハは知らない。

そして、絶対勇者という言葉を口にしないと誓った。

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