第21話
「はやーい」
「これならすぐつくな」
私たちはレイの使い魔になったヨルに乗って海をわたっていた。
「見ろ、陸が見えてきたぞ」
「あれが」
元気にしているかな、遼は。再開するのが楽しみだな。
「ついたー」
「ヨル、ありがとう」
「どういたしまして」
「やっとついたか」
「誰だ!」
「レイは初めてだね。ノアールだよ」
「ノアールか、初めて聞いた」
「ノアールはあまり魔法を使わないからな」
「……レイお兄さん……」
「すまない。小さくなれるか」
「うん」
ヨルは大蛇から普通サイズの蛇に変わって、レイの首もとに巻き付いた。
「ノアール、レイの使い魔になったヨルムンガンドのヨルだよ」
チラ プイ
「ありゃ~」
「生意気だな」
「レイ、おまえは強制ピアスを忘れるな」
「わかっている」
レイは異空間のポケットからピアスが入った箱を取りだし耳に着けた。
「レイお兄さん、にあってるよ」
「ありがとう、ヨル」
「うん、にあってる。やっぱ、イケメンが着けると違うねー」
「うるさいぞ」
誉めたのに怒られた! なんで!
「これからどうするのだ?」
「村でも探すか?」
「それが無難だな」
「じゃあ、あっちに行ってみようよ」
「ああ、いいぞ」
「陸って何があるかな? 僕、楽しみ♪」
「ヨルは陸は初めてなの?」
「うん、初めてなんだ」
「そっか。知らない物がたくさんあって、きっと楽しいよ」
「うん」
私たちは村を探しながら進んでいった。
「村、見つからないね」
「ないな」
私たちは村を探して数時間がたったがはてなき道が続いているだけだ。
「フェン、食べ物や人間の匂いしない?」
「するぞ」
「やっぱ、しないよねって、え?!」
「それを早く言え! フェン」
そうだ、大事な手がかりなんだから。
「だが、移動している」
「商人か」
「お貴族様か、だね」
「ああ」
「行けばわかるら。フェン」
貴族じゃないといいな。
バカな貴族も多いからな、めんどくさいことになりかねない。
「了解」
フェンは大きくなり、私たちは乗せて走りだした。
「ねぇ、レイ」
「なんだ」
「始めからフェンに乗って移動するばよかったんじゃ……」
「……」
「ふっ、バカが」
「ノアール!」
プイ
「生意気黒猫」
もう、ノアールは。
「移動している人たち、奴隷商人じゃないといいけど」
「そうだな。だが、すぐわかるだろう」
「クレハお姉さん、奴隷ってなに? なんですぐわかるの?」
「奴隷はね、売り物の人たちのこと」
「売り物! 人が!」
「そう。人間だけじゃなく、エルフとかの他もいる」
「ひどい」
「そうだね」
「だが、今は例外を除く奴隷の使用は禁止されている。奴隷と名がつく行為は誰であろうと重い処罰がくだされる」
「すぐわかるかは商人が運ぶ荷車だよ。柵がついてり、箱状の荷車はたいはん奴隷商人だね」
「そうなんだね。奴隷商人だったら助けようよ」
ヨルの優しく純粋な心に私は心が痛んだ。
「それはできない」
「なんで!」
「奴隷商売は確かに悪いことだよ。でも、もし、私たちはが奴隷に捕まった人を助けても帰る場所がない人もいる。そんな人たちを面倒まで私たちは見れない」
「逆にお互い危険になりかねない。なぜだか解るか?」
「足手まといだから」
「そう。ヨルは頭がいいね」
「それを助ける人たちもちゃんといる。例えば、ギルドや騎士団とかね」
「ギルドってなに?」
「ギルドは……」
「ついたぞ」
「ヨル、ついたから説明は後でね」
「わかったよ。クレハお姉さん」
目的地に着いた私たちはフェンから下りた
。
「フェン、ありがとうとご苦労様」
「ああ」
「護衛がいるな。商人か」
「そこそこ大きい商店じゃないかな?」
「そのようだ」
「じゃあ、行こう」
私たちは商人の人に近くに村などがあるか情報を聞きに近づいた。




