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人間をやめた転生ライフ  作者: 暁のネコ
17/53

第17話

コンコン


「はい、どうぞ」

ガチャ

「失礼します」

「クレハか、おはよう」

「おはよう。サフェート兄さん」

「おはようございます。クレハさん」

「おはようございます。ナーシャさん」


レイのところに問い詰めに行く前にサフェート兄さんの執務室に向かったんだ。


「どうしたんだ?」

「サフェート兄さんたち、レイの苦手なもの知らない」

「レイの苦手なもの?」

「どうしてそんなことを?」

「さっきアキガさんからレイが四天王だって聞いた」

「彼は確かに四天王の一人ですが、その様子だと知らなかったんでしね」

「うん」

「それで仕返しというわけか」

「さすが、サフェート兄さん。わかってるね。そんで、レイの苦手な物知らない?」

「レイの苦手なものですか」

「苦手なもの」

サフェート兄さんたちは首をかしげる。

苦手なものの一つぐらいあるでしょう。

「ローズ」

「使えない」

あ、サフェート兄さんシュンってしないで。

「コレステロールが高いおっさん」

「物好きな吸血鬼以外皆嫌いだよ!」

これは本当に不味い。

「激辛料理」

「だいたいの人がダメだね」

「あ、そういえば」

「え?! 何々?ナーシャさん」

「ヌルヌルしたものに抵抗があるようですよ」

メモメモ

「はー、超激辛料理にするか」

「すまないな」

「うんん」

「改めて考えるとレイの苦手なものを知りませんね」

「そうだな。あいつはぬらりくらりとしているしな」

「じゃあ、私は料理長に交渉してくる」

「ああ」

「ふふ、レイの反応が楽しみです」

納豆も追加しようかな。


◆◇◆◇

場所は変わって厨房。


「おはようございます」

「おや、クレハちゃんじゃないか。おはよう」

「あ、料理長!」

「どうしたん?こんな朝から」

「お願いがあって」

「お願い?」


私は一部を覗くメイドさんたち以外の城務めの人とも仲良くしている。

だから、けっこう情報を持っている。

どっかの貴族の旦那さんが浮気したとかどっかの領の紅茶が美味しいとかね。

メイドさんたちを侮ってはいけないよ。


「レイの朝御飯にこのオクラと納豆、トリニダード・スコーピオンにブッチ・テイラーとブード・ジョロキア も混ぜてほしいんだ」

「いいですが、激辛ですね」


この世界の食事事情は地球とあまりかわらない。


「うん。できるだけ解りずらくしてね」

「はい」

「ありがとう。料理長」

「いえ」

「じゃあ、私はレイのところに行くね」

「はい。また、来てくださいね」

「うん」


私は交渉に成功し、レイのところに問い詰めに行った。


「レイ」

バンッ


私はレイのへやの扉をいきおいよく開けた。


「なんだよ。こっちは書類仕事で疲れてんだ。しかも気持ちよく二度寝してたっていうのに」


二度寝してたんだ。

てか、吸血鬼は夜行性だろ。

レイは眠たげに上半身を起こした。

レイの上半身は何も身に付けてない、要するに裸だった。


「お! なかなかの筋肉。レイって着痩せするタイプなんだ」

「そこは普通、キャーとか服を着ろとか言わないか?」

「言うキャラじゃない」


レイは余計な脂肪や筋肉がなくバランスがとれた細マッチョな身体だった。


「で、なんのようだ? クレハ」

「あ、忘れてた。レイ貴方なんで自分が四天王の一人だってこと教えてくれなかったの」

「そんなことか」

「そんなことじゃない。私、会うの楽しみにしてたんだから」

「それはすみませんでしたー」


レイは棒読みで謝る。


「今日アキガさんから初めて聞いたよ」


私は近くの椅子にすわる。


「そうか」

「同じ四天王に顔を覚えてもらってなかったんだね」

「そうなるな。色々とサボってたし」

「レイって何歳?」

「なんだ?唐突に」

「いや、レイのこと全然知らないなと思ってね」

「俺たち吸血鬼は生きる時間が長い。ゆっくり知っていけばいい」「うん」


レイは私の頭を撫でながらそう言った。


「で、何歳?」

「180ぐさいか、人間で言うと18歳ぐらいだろう」

「へー」

じゃあ、同い年ぐらい?

てか、私の場合はどうなんだろ?

「これでも四天王の中では一番年下だ」

「そなの。他の人たちは何歳?」


カツカツ

すると廊下からヒールの足音が聞こえた。


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